変形性股関節症の原因と治療法
変形性股関節症とは?
股関節の関節軟骨が変性したり、摩耗したりすることで股関節の変形(関節が狭くなるなど)をきたす慢性的な進行性の疾患で、40~50歳の女性に多く発症します。
原因
大きく分けて2つの原因があります。- 1次性:明らかな原因がなく関節が壊れるもの
- 関節軟骨の細胞が老化することで、働きが悪くなると考えられています。
- 2次性:何らかの病気や怪我により起こるもの
- 日本では2次性が大半を占めます。その中でも臼蓋形成不全、先天性股関節脱臼を原因としたものが90%を占めます。
症状
はじめは、立ち上がる際の鼠径部痛や股関節の違和感、長時間歩いた後の疲労感やだるさを感じます。段々と症状が進行すると、体重をかけたときや足を曲げるときの痛み、脚の長さの違いを感じたり、身体が傾く・脚を引きずるといった歩行障害が出現したり、安静にしている時の痛みや夜間の痛みを伴ったりします。日常生活においては、足の爪が切りにくい、靴下が履きにくくなる、胡坐がかけなくなるなど股関節の関節可動域の低下がみられます。
画像・診断
レントゲンでは骨の形態(変形など)や痛みの原因となる疾患があるか確認します。
MRIでは骨の形態異常のみでなく、股関節周りの筋肉や 軟骨(関節唇)などの軟部組織に問題がないか確認します。
MRIでは骨の形態異常のみでなく、股関節周りの筋肉や 軟骨(関節唇)などの軟部組織に問題がないか確認します。
治療
進行の程度は関節の隙間の状態、骨の形態変化・変形と日常生活にどのくらい影響を及ぼしているか等で判断し、その程度により治療も異なります。初期の段階では日常生活における股関節への負担軽減を目的として、内服や安静により痛みをコントロールし、運動療法により股関節を安定させるように筋力の強化を行います。
進行し股関節の動きが少なくなると筋肉が力を発揮しづらくなり、股関節の機能が低下します。その上、膝や腰などの股関節以外の関節にも痛みが出現し、姿勢や歩き方に影響を及ぼします。骨や関節の状態が悪い場合やリハビリをしても、症状の変化が乏しい場合は手術の適応となることがあります。