肩腱板断裂

【腱板とはなにか?】

 肩関節は、球関節という種類の関節に分類されます。したがって、髪を洗う、背中に手を回す、大きく手を振るなど、他の関節に比べると自由度の高い運動が可能です。しかし、「肩の脱臼」に代表されるように動きが大きい分、不安定な関節といえます。このような肩関節は、関節包や靭帯によって支持されているだけではなく、腱板という4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)が関節を支えることにより関節を安定化させ、また大きな動きを可能にしています(図1)。

        図1 腱板の4つの筋肉

【腱板断裂はどのように生じるの?】

 腱板断裂は、40歳以上の男性、特に60歳代に好発します。これは、40歳以降から腱の変性が始まるためだと考えられています。また、腱板は解剖学的に上腕骨頭と肩峰の間に位置しています(図2)。そのため、手を挙げると腱板が挟み込まれる状態になり、日常生活で動作を繰り返すことで自然と断裂が起きていることが原因と考えられています。また、交通事故や転倒、スポーツでのコンタクトプレーのように「外傷」が原因となるものや、野球など肩を使う頻度が多いスポーツをされている方にも生じることがあります。


    図2 棘上筋(腱板)の解剖学的特徴

【どのような症状があるの?】

 腱板を損傷すると、肩が挙がらない、動かすと痛い、夜痛くて寝ることができないなどの症状があります。また、自力で肩を挙げることはできないが、反対の手で支えれば挙げることができるのも症状の特徴の一つです。 腱板断裂には断裂を認め症状があるもの(症候性)と、断裂を認めても症状がないもの(無症候性)があります。腱板断裂がある人のうち約65%は無症候性だった報告もあります。
 

【診断について】

診断は診察所見と超音波検査やMRI検査、単純レントゲン検査の画像所見から行います。

参考 → 「レントゲン画像の診かた」

【治療について】

 腱板断裂の治療法としては、保存療法(リハビリ、注射、内服薬)と手術療法があります。 多くの場合は最初に保存療法の適応です。 保存療法で改善が見られない場合は手術療法を検討します。 しかし、肩板断裂の程度や症状の程度、早期職場復帰などの希望がある場合は、最初から手術を検討することもあります。 手術にはリスクも伴いますので担当の医師と相談して手術適応を慎重に決めます。


※詳しい手術方法については後日掲載します。
 腱板断裂では保存療法、手術療法後にもリハビリテーションが大切となります。

※肩腱板断裂の手術後のリハビリテーションはこちらをご覧ください。 → 「鏡視下腱板修復術後のリハビリテーション」

※肩腱板断裂の保存療法はこちらをご覧ください。→ 「腱板断裂の保存療法」

Ver.1 2017.1.31