関節: 肩関節, 股関節
スポーツ: 野球, バスケットボール
骨盤・股関節
寛骨臼蓋形成不全(変形性股関節症)
【どんな症状が出るの?】・立ち上がり時の鼠径部痛
・長時間歩行後の疲労感やだるさ
・進行によって安静時痛や夜間痛を伴うようになる。
・股関節部(鼠径部)の疼痛だけでなく、大腿部痛や膝痛を伴うこともある。
・足の爪が切りにくい
・靴下が履きにくくなる
・正座ができなくなるなど可動域制限の低下がみられる
【臼蓋形成不全とは?】
関節軟骨の変性や摩耗による関節の破綻や反応性の骨増殖によって股関節の変性をきたす非炎症性疾患である。
わが国では臼蓋形成不全による二次性変形性股関節症がその80%以上を占めている。
単純X線画像診断によるわが国での変形性股関節症有病率は1.0~4.3%で、男性は0~2.0%、女性は2.0~7.5%と女性で高い。
発生年齢は平均して40~50歳である。
関節列隙の狭小化や寛骨臼蓋形成不全の程度、また肥満は疼痛に関連しており、
寛骨臼蓋形成不全においては関節唇損傷が疼痛に関与する重大な因子と考えられている。
【診断】
単純X線股関節正面像を用いて病気分類をしている。当院では特に以下を診ています。
①CE角:平均値(男性30.0~35.1°、女性27.2~33.5°)
②VCA角:平均値25°
寛骨臼インピンジメント(FAI)
【どんな症状が出るの?】・鼠径部痛や大腿部痛
・階段昇降やしゃがみ込みといった動作にて痛みが出る。
【寛骨臼インピンジメントとは?】
股関節動作時に繰り返しインピンジメント(大腿骨と寛骨臼のぶつかり)を生じて股関節唇断裂や寛骨臼の軟骨損傷を起こす病態。
【FAI(femoroacetabular impingement)とは?】
①Cam type
大腿骨頭から頸部移行部前方のくびれが減少もしくは前方へ膨隆するタイプ。
大腿骨頭から頸部移行部前方のくびれが減少もしくは前方へ膨隆するタイプ。
②Pincer type
寛骨臼の後ろ開きや過度の骨性被覆ができるタイプ。
寛骨臼の後ろ開きや過度の骨性被覆ができるタイプ。
③Combined type
①と②が複合するタイプ。
①と②が複合するタイプ。
【診断】
・単純X線検査では軟部組織は撮像できないためMRI検査に誘導となることが多い。
MRI検査予約についてはこちら
・股関節屈曲・内旋角度の減少
・股関節屈曲、内旋位にて鼠径部の痛みが誘発されるanterior impingment testの陽性率が高い。
股関節唇損傷
【どんな症状が出るの?】・方向転換や自動車の乗り降りなどで股関節痛
・引っかかり感など
・全力疾走などで痛い
・股関節可動域制限が起こることもある。
【股関節唇損傷とは?】
寛骨臼には大腿骨頭の約2/3が収まり、関節には軟骨が存在し関節応力への対応から前上方領域で厚くなっている。
それに加え関節唇が存在し関節面積を28%増加させ股関節を安定化させている。
また、神経が豊富に存在し関節唇が損傷を受けることによって股関節痛が発症する。
※寛骨臼形成不全を有する病態ではしばしば損傷を認めるが、
サッカーやクラシックバレエなどアスリートでも損傷を起こすとされている。
大腿骨頭壊死症
【どんな症状が出るの?】・急に発生する股関節痛。
【大腿骨頭壊死症とは?】
大腿骨頭の栄養は血流で補われなんらかの原因で血流が途絶し骨頭壊死が発症すると考えられている。
骨頭内部に壊死が発生するだけで、このまま治癒してしまうケースやほとんど進行しないままのケースもかなりあります。しかし、進行した場合は骨頭に陥没ができて軟骨部分がせまくなり、ぎざぎざになった部分が当るので臼蓋にも破壊が進み、変形性股関節症へと進みます。
この陥没など骨頭の変形が見られ痛みが生じます。
【診断】
単純X線検査、CT、MRI、骨シンチグラフィー
Groin pain syndrome(鼡径周辺部症候群)
【どんな症状が出るの?】・症状は個人差があり一定しません。
・ボールの蹴る時に痛い
・歩行時に痛い
・腹筋時に痛い
・下肢を内転(閉じる)と痛い
【Groin pain syndrome(鼡径周辺部症候群)とは?】
何らかの原因で股関節周辺の筋力バランスが崩れ、様々な症状を呈します。
怪我からスポーツ復帰した後にみられることもあります。
サッカーなど下肢を内転し巻き込むように 蹴る動作が多いスポーツ選手によくみられます。
また、名称の通り鼠径部周辺のいくつかの痛みが合併し症状を引き起こしていると考えられている。
坐骨神経障害
【どんな症状が出るの?】おしりや太ももの後面、ふくらはぎに電気が走るように痛い
・しびれる
・感覚が鈍い
・脚に力が入りにくい
【坐骨神経障害とは?】
坐骨神経障害とは、末梢神経障害の一つです。
坐骨神経は、腰部から大腿後面、膝裏を通り下腿から足指まで走っていて、下肢全般の筋肉を支配しています。
坐骨神経が損傷、何らかの障害、循環不良に陥った時に症状が出現します。
様々な腰部疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)に伴って症状が起こることが多いですが、坐骨神経を長時間圧迫することで発症することもあります。
まれに、骨盤の骨折により神経を損傷することがあります。
坐骨神経は下肢全般の感覚もつかさどっており障害を受けることで下肢の痺れを感じることもあり
痛みによる筋力低下が歩行障害などの症状を引き起こすこともあります。
仙腸関節障害
【どんな症状がでるの?】
・お尻、腰、鼠径部が痛い!
・前屈すると痛い!
・歩き始め、立ち上がりが痛い!
・仰向けで寝ることができない!
・痛いほうを下にして寝ることができない!
・椅子に座っていることがつらい!
・ 特徴としては片側に出現すること!
【スポーツ中では…? 】
☞サイドステップや片足に荷重するときに痛い!
☞腰を動かすと痛い!
【考えられる原因は?】
・姿勢が悪い。
・股関節が硬い。
・腰が反っている。
・体幹やお尻の筋力がない。
・サッカーやバスケットボール、野球など片足に負担がかかるスポーツに多い!
【仙腸関節とは?】
骨盤帯は左右の寛骨とその中央に位置する仙骨によって形成され、
仙腸関節は寛骨と仙骨との間にある関節。
下半身や上半身の受ける荷重応力の軽減や負荷の伝達を行っている。
仙腸関節には自由神経終末という痛みを敏感に感じる受容体が多く存在します。
中腰での作業、急な動作、同じ動作の繰り返しなどで仙腸関節のバランスが崩れ炎症が起き痛みとして感じるのです。
仙腸関節性由来の痛みは約50%で殿部痛、鼠径部痛が存在します。 また、 正座は楽なことが多い!
骨盤・股関節専門スタッフ
セルフリハビリ方法
※症状に応じて無理はしない!ハムストリングストレッチ
セルフマッサージ
体幹トレーニング