会期：平成30年7月7日（土）～8日（日）
会場：山形国際ホテル（山形県山形市）
会長：石井　政次先生（済生会山形済生病院）
 
上記日程で開催された第30回日本整形外科超音波学会において「腱板断裂肩における夜間痛の定量的評価～前上腕回旋動脈の血流が保存療法で改善した１症例～」という演題で口述発表を行いましたので報告致します。

中高年に多く発症するとされる腱板断裂において、夜間痛（睡眠障害を伴う肩の疼痛）は特徴的な症状の1つとされています。
夜間痛を自覚している症例では、超音波診断装置を用いた血流評価で肩関節近傍に走行する前上腕回旋動脈と呼ばれる血管の血流速度が増加していると報告されています。
しかし、増加した血流速度が治療介入によりどのように変化するのかは明らかなにされていないため今回調査しました。
今回調査した１症例においては、疼痛軽減とともに増加した血流速度も軽減し、夜間痛が消失する時期に一致して血流速度も正常値に推移しました。
夜間痛という主観的な所見を経時的かつ定量的に観察可能な本評価法を用いることで、さらなる病態の解明に繋がり、より最適な治療を提供するための一助になると考えます。
今回は１症例の報告だったので、今後は症例数を重ね、日々の臨床成績を高め、患者さんに還元するために、さらに病態の解明を進めていきたいと思います。　

H30.7.8　長野整形外科クリニック　柔道整復師　小山晴樹