一般的な治療を行なって効果が実感できなかった方へ
当院に来院される多くの方が「ヒアルロン酸の注射を行っているが効果がない」、「電気治療をしてもらっていたが膝の痛みが取れない」「人工関節手術をするしかないと言われた」と言って来院される患者さんが非常に多いです。
論文紹介 - PRP治療とヒアルロン酸注射の比較

Platelet-Rich Plasma Versus Hyaluronic Acid in the Treatment of Knee Osteoarthritis: A Meta-analysis of 26 Randomized Controlled Trials
Jixiang Tan, M.D.a ∙ Hong Chen, M.D.b ∙ Lin Zhao, M.D.a ∙ Wei Huang, M.D. 2021
目的
変形性膝関節症(KOA)に対して PRP(血小板濃縮血漿)注射と HA(ヒアルロン酸)注射を直接比較し、効果と安全性を評価すること。
対象
PRPを介入群、HAを比較群とするランダム化比較試験(RCT)26件、合計約2,430例を対象
評価指標
主指標:WOMAC(pain, function, stiffness, total)
副指標:VAS、IKDC、KOOS、Lequesne、EQ VAS、満足度、有害事象など
痛みの改善
- WOMAC pain・VASスコアは、PRP群が3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月すべての時点でHA群を上回る改善。
- 特に6ヶ月・12ヶ月の痛みの軽減が顕著
機能改善
- WOMAC function スコアも3〜12ヶ月にかけてPRP群が有意に優れている。
- WOMAC total スコアは6ヶ月と12ヶ月でPRP群が有意に低い(改善を示している)
ヒアルロン酸注射よりPRP注射の方が効果が高いという結果が出ています!
PRP治療とは?
PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)のことで、ご自身の血液を採取し、遠心分離機を使って血小板を濃縮したものです。
血小板には修復を促進する成長因子などが含まれているため、血液を濃縮させて作成するPRPからは大量の成長因子が含まれます。
それを患部に注入することで治癒を促す治療です。
PRPは再生医療に位置付けられています。
※PRPはあくまで本人の治癒力に依存するため、治療効果には個人差があります。
プロのスポーツ選手も積極的に行っている
PRP治療はメジャーリーガーやJリーグの選手も積極的に行っている治療です。
当院に来院されるオリンピック選手やプロアスリートは怪我がある中でも試合にでなければいけない状況があるので復帰に向けて積極的にPRPを行なって試合に出場しています。
当院で行っているPRPは再生医療の
「第二種」(関節内)
および
「第三種」(関節外)
にあたります。
PRP療法は再生医療のひとつで、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」を活かした治療法です。再生医療は、日本国内において、再生医療新法によって厳格に規制・管理されており、①安全性が担保された方法で、②届出が受理された施設、③登録された医師に限り、実施することができ当院も厚生労働省への届け出を行い認可を得ております。
◆第二種◆
関節内にPRPを注入することによって、生体内の代謝バランスを改善・保持するのに必要な成長因子等を補充し、慢性的な炎症やそれによって発生する疼痛、組織侵襲を抑制、更には組織修復・再生を促すことを目的としています。
- 変形性関節症
- 関節内軟骨損傷
- 半月板損傷
- 関節内靭帯損傷
- 関節内組織損傷
- 関節炎 ...等

◆第三種◆
主に筋肉や腱のケガや障害に有効とされています。スポーツ外傷やオーバーユースなどでお困りの方や、家事・育児で腱鞘炎となってしまった方など幅広く対象となります。
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 上腕骨内側上顆炎
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- 肉離れ ...等

次世代のPRP治療で世界最速の除痛を目指す ACPMax
当院では通常のPRPに加えてACP MAX PRPシステムを提供しています。
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特長 |
・採血から投与まで10~15分で処理完了 ・クリーンブース不要 |
・ACPダブルシリンジと互換性のある遠心分離機 ・血小板の高度濃縮が可能 |
総血小板供給量 | 約20億(一般的なPRP) | 約90億(High-Dose PRP) |
当院の治療方法 | 複数回注射 | 単回注射 |
ACP Maxとは?
高度な血小板濃縮
従来のPRP療法よりも、より多くの血小板を濃縮でその数なんと90億個という大量の血小板を調整することが可能です。これにより、組織修復に必要な成長因子をより多く患部に供給できます。
変形性膝関節症への応用
変形性膝関節症の痛みや炎症を軽減し、関節破壊の進行を抑制する効果が期待されています。
治療はもちろん日帰りで可能です
確かな治療を提供する医療陣
当院では国内外で臨床経験や手術を豊富に積んだ医師のプロ集団が治療に当たります。またプロスポーツチームのチームドクターを行っている医師を配置しているためスポーツに対する専門性も高く、一般の方からプロ選手までバックグラウンドを考慮したオーダーメイドの治療を提供します。
当院のPRP治療の実績
1000件を超える実施経験からより効果的な方法の提案を行います。

当院では変形性膝関節症を始め様々な疾患に対してPRP治療を提供しています。
スポーツ整形外科“だからできる”治療提案をすべての方へ
当院ではオリンピック選手やプロスポーツ選手の治療経験を通し、競技特性を考慮した治療や大会までのスケジュールを考慮した治療の提案を行っています。
またなるべく“運動しながら治す”、“最速で除痛する”ことを掲げています。
この経験はスポーツ選手だけでなくすべての患者さんに適応させて行きます。
治療前、治療後の徹底したフォロー体制
治療はチームで行い一人一人の患者さんに個別の治療提案を行っています。また、治療成績を一人一人確認するために治療前治療後にグーグルフォームを用いたアンケート(臨床評価スコア)を答えていただき、経過不良例を出さない取り組みを行っています。
より結果を追い求めるための画像診断
MRI、超音波治療診断装置を用いた患部の確認を全症例行なっています。
当院では治療にあたりMRIや超音波診断装置を用いて痛みのある部位の確認を行います。
組織の傷んでいる程度や部位、患部の大きさ、患部の深度より正確に検査することで的確な治療を行います。
徹底した安全性の確保
患部を治療することはもちろんですが、整形外科の臨床場面ではレッドフラッグと言われる緊急性が高く危険性の高い疾患(腫瘍や感染症、大動脈解離)が発見されることがあります。患者さんに安心、安全な医療を提供するためにもMRI等を用いて慎重に検査を進めています。
PRP治療の実例 - 20代女性海外プロサッカーリーグの選手の例
練習中に疼痛を自覚、その後膝が腫れてきて練習困難な状態となった。
練習を一定期間休むとはれはなくなるが運動量をあげると腫れが出現してしまい試合出場が困難な状態となり治療のため帰国した。
XP画像
レントゲンでは変形や骨折は認めない状態であった
MRI検査
半月板損傷と滑膜ひだ障害があり関節に炎症が起こっているが骨にはダメージを認めなかった
超音波検査
膝に水腫(水)がたまっており膝への血流量の増加が確認された →膝関節の炎症が起こっていることが明確になった
PRP治療
膝の関節内にPRP治療を施行
目的:膝の炎症症状の改善と組織修復
リハビリテーション
大腿四頭筋の萎縮と股関節を安定させる筋群の筋力低下を認めたためこれらの問題を改善するための運動療法と復帰を想定したアスリートリハビリテーションを施行した。
結果
PRP治療1回で繰り返す膝関節の腫脹が改善
サッカーを行なっても腫れが出現しなくなり無事試合に復帰した。
痛みの原因は1つではない
豊富な知識と治療のオプションが可能にするコンビネーション治療
痛みの原因は一つとは限りません、PRP治療は全ての問題を解決できるものではありません。当院では症状に応じてPRP+他の治療を組み合わせたコンビネーション治療を提供しています。
コンビネーション治療の実例 - 50代女性の例
歩き始めや階段を下る動作で強い痛みが出現。
最近では歩行時にも痛みが出てしまい脚をかばって歩くようになってきてしまった。
他院でレントゲンの撮影を行い骨には異常がないと診断され。湿布の処方とヒアルロン酸の治療を5回施行するも効果がなく当院に来院されました。
XP画像
レントゲンでは若干の変形は認められるものの関節が大幅に狭くなっている様子もなく人工関節等の手術の適応ではなくMRI検査へ
MRI検査
半月板損傷と滑膜ひだ障害があり関節に炎症が起こっている
また骨にもダメージがあり骨にも炎症が起きている状態
超音波検査
膝に水腫(水)がたまっており膝への血流量の増加が確認された
→膝関節の炎症が起こっていることが明確になった

行ったコンビネーション治療
PRP+体外衝撃波治療
膝の関節内にPRP治療を施行
目的:膝の炎症症状の改善と組織修復
膝の骨に対して体外衝撃波治療を施行
目的:骨の炎症症状の改善と組織修復の促進
施行後のMRI画像
MRIでも関節内の炎症、骨のダメージの改善が確認された
疼痛消失までの通院回数(その後のリハビリは除く)
- 1初診
- 2PRP+衝撃波治療
- 3衝撃波治療
- 4経過確認の診察
合計4回の通院で痛みが消失した
安全性は?
ご自身の血液を使うため
アレルギー反応は極めて低く
、超音波で患部を確認しながら注入するため
安全性が高い治療
です。
PRP注入後3~4日は治癒機転に伴う炎症症状として痛みや腫れ
などを感じる可能性があります。

料金はどの程度かかりますか?
PRP治療は自由診療となりますので、保険適応外です。
料金は下の表の通りになります。
1部位 | 2部位 | ACP MAX |
55,000円 | 110,000円 | 165,000円 |
実際の治療の流れは?
事前に超音波画像診断装置やMRIを用いて正確に診断します。
治療当日は①末梢⾎の採⾎、②PRP作製、③PRP注射の順で行います。
- ① 末梢⾎の採取:患者様の腕より、約15mL採⾎します。
- ② PRP作製:採取した⾎液を、遠⼼分離器で遠⼼しPRPを作製します。
- ③ PRP注射:患部に対して、必要に応じてエコーを⽤いてPRPを注射します。
日帰りでの施術が可能です。


PRP後2週間は副反応の注意が必要です。外来通院で状態を観察していきます。注射後3ヵ月のフォローアップを行います。
PRP治療を受けられない場合はありますか?
次の各項⽬に1つでも当てはまる場合は治療を受けていただくことができません。
- 抗凝固剤の使⽤中の⽅
- ⾎⼩板減少症等出⾎性素因がある⽅
- 貧⾎の⽅
- 重篤な感染症
- 易感染性宿主(糖尿病・免疫不全・慢性腎不全・肝硬変の⽅)
PRP治療後の副反応について
注射後3〜4 ⽇の間は、細胞の活発な代謝が⾏われますので、腫れやかゆみ、⾚みや痛みが出るなどがありますが、その後⾃然に消失していきます。