足の痛みやしびれ、長い距離が歩けない「腰部脊柱管狭窄症」
2020/02/29
脊柱管とは?
脊椎は、上から順に頚椎・胸椎・腰椎・仙椎によって構成されています。その中には『脊柱管』と呼ばれるトンネルがあり、脳から続く脊髄が通っています。腰部脊柱管狭窄症の原因とは?
脊柱管が狭くなる主な原因は加齢による背骨の変形です。椎体後方への骨棘形成や、椎間関節の病変(椎間関節症)、靭帯の肥厚、椎間板が膨らむ(椎間板ヘルニア)などで、中を通る神経を圧迫します。そうなると神経の栄養血管の血流量が低下してしまい、下肢の痛みやしびれ、間欠性跛行などの症状が出てきます。圧迫される脊椎の神経レベルにより下肢に生じる症状は異なります。身体は椎間板の変性を、四肢の変形性関節症と同様に、骨の反応性変化によって補償しようとします。その結果椎体の辺縁には骨棘が形成され、これにより荷重面積が拡大するため、椎体関節面への負担が軽減し、運動部分の安定性が高まります。しかし、骨の反応性変化(骨棘形成)に伴って脊柱管と椎間孔が狭くなり、退行性脊柱管狭窄症が起こります。さらに進行すると運動部分が繋がり、脊椎の可動性が徐々に制限されていきます。
腰部脊柱管狭窄症の症状について
・脚の痛みやしびれ脚の先が冷たい、ほてる、1枚皮がかぶさってるように鈍く感じる
・間欠性跛行
長時間歩いたり、立ち続けたりすると痛い
少し歩くと痛みが強くなって、腰を丸めて休憩するとまた歩き出せる
画像・診断
単純レントゲン検査では椎間板腔・骨棘・アライメント、MRI検査では椎間板の変性・神経圧迫を評価するのに有用です。治療について
保存療法では、投薬、コルセット、ブロック注射、リハビリテーション。痛みが強く症状が重篤な場合、脊椎専門医へ紹介を検討します。