胸郭運動システムアプローチ講座 参加報告
Breathing Care Tokyo主催で行われます「胸郭運動システムアプローチ講座」が令和3年7月25日(日) ~令和3年12月19日(日)の全5回開催され、
当法人から上田整形外科内科の小林 亮太(理学療法士)、長野整形外科クリニックの篠塚 真充(理学療法士)が参加しました。
【第1回 令和3年7月25日(日)】
今回の講義は胸郭運動システムについてとその評価方法について学びました。胸郭は頸椎・肩甲骨、骨盤と巧みに連携し、複合的に機能するシステムを有しています。胸郭から脊柱を介し骨盤帯へ、また骨盤帯から胸郭への運動が生じ、体幹をコントロールすることが可能となる運動システムのことを胸郭運動システムと言います。
肋骨は吸気時に肋椎関節で生じる肋骨の運動方向を後方回旋と言い、呼気時に肋椎関節で生じる肋骨の運動方向を前方回旋と言います。
【第2回 令和3年9月26日〜第5回令和3年12月19日】
第2回〜第5回の講義は胸郭運動システムについてとその評価方法についてと、胸郭アライメントを補整する治療手技を学びました。
胸郭は頸椎・肩甲骨、骨盤と巧みに連携し、複合的に機能するシステムを有しています。また、体の重心位置は人それぞれによって、左側方偏位・右側方偏位に分かれます。その重心の偏位によって肋骨の動きがそれぞれ変わります。90%もの人が左側方偏位を呈しているそうですが、その理由については解明されていません。
左側方偏位を産生することの有用性として、上半身重心を左方に移動させることで、左側下肢の軸足機能を有効に活用できます。また骨盤の左側への挙上及び後退(骨盤を後ろに引く)により左下肢の殿部筋をより使いやすくしています。
野球の投球時のステップ足や、陸上競技では左足を軸に右足で蹴り出すことにより左回りに進むことができることなど、左側方偏位であることの有用性が言えます。しかし、左側方偏位幅が大きすぎたり、少なすぎることにより重心のアンバランスが腰痛の原因になることもあります。
今回の研修を通し学んだことは姿勢評価に有用となります。日々の臨床に生かせるよう精進してまいります。
長野整形外科クリニック 理学療法士 篠塚 真充