アキレス腱周囲炎、アキレス腱炎

アキレス腱とは?


アキレス腱は「腓腹筋」と「ヒラメ筋」が収縮した時の力を踵(かかと)の骨に伝える強靱な腱です。「腓腹筋」と「ヒラメ筋」はつま先立ちや走る動作など、体を持ち上げる時や地面を蹴る時に働く筋肉です。これらの筋肉が発揮した力をうまく伝達してくれることで、普段の日常で行ってる動作やランニングなどの動作が可能となります。

アキレス腱周囲炎(アキレス腱炎)の原因は?

 アキレス腱があることでランニングやジャンプ動作を行うことができます。運動量が増加すると、その分アキレス腱の負担も大きくなり、アキレス腱に微細な断裂が生じることで炎症を起こしてしまいます。また、筋腱移行部の老化は思春期とかなり早い時期から始まります。更に使い過ぎると柔軟性が低下し、硬くなり、アキレス腱を急に伸ばした時にアキレス腱に微細な断裂を起こしたり、腱膜に炎症を起こします。アキレス腱の変性が進行すると「アキレス腱断裂」に至る可能性があります。普段運動をしていないのにも関わらず、急にスポーツを始めたり、激しく運動をする場合は注意が必要です。

アキレス腱断裂との違いは?

 アキレス腱周囲炎はアキレス腱の深層にあるkager's fad padと呼ばれる脂肪組織やアキレス腱を包む血流豊富なパラテノンという組織があり、その脂肪組織やパラテノンに炎症が生じ、肥厚や滑走不良が起きることで痛みが生じます。
 アキレス腱炎はアキレス腱自体が微細な損傷を起こし、炎症を生じ腫れや痛みが生じます。

症状


・ランニングすると痛い
・ジャンプすると痛い
・ストレッチすると痛い
・腫れている

画像・診断について

身体所見(アキレス腱、周囲の圧痛)や超音波・MRIによる画像診断が有用です。

治療について

  急性期で痛みが強い場合、まずは患部安静が必要です。スポーツを中断し、運動量を下げ内服や外用剤、注射などで炎症や痛みを落ち着かせます。
 日常生活で痛みなく過ごすことができれば、徐々に負荷を上げてスポーツ復帰を目指します。リハビリテーションで再発予防として下肢柔軟性低下の改善を図ります。
長野整形外科クリニック
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