加齢による骨の変形と腰の痛み「変形性腰痛症」
2021/10/15
変形性腰痛症の原因
加齢や過度のストレスなどによって、腰の骨(椎体)の間でクッションの役割を果たしている椎間板が薄くなったり、神経の通り道である椎間孔が狭くなると神経を圧迫します。また、椎体が変形し、とげ(骨棘)が形成された場合も神経を圧迫し、下肢に痛みやしびれなどの症状が出ることがあります。腰椎の左右の関節が非対称に狭小化することによって、変形性の側彎症をきたす場合があります。また、変形性腰椎症は脊柱管狭窄症の原因になることもあります。症状について
・腰を曲げたり、反らしたり、捻ったりすると痛い
・起床時に痛い
・安静にしていても痛い
・長く歩いていると前かがみの姿勢になってしまう
・長く歩くことが困難である
・下肢のしびれや痛み
画像検査・診断
単純レントゲン検査で椎間板腔、椎体の骨棘、アライメントを、MRIは椎間板の変性、神経圧迫を評価するのに有用です。下肢に痛みやしびれが強い場合はMRIが必要になります。
例)レントゲン画像
黄色…骨棘の形成
赤色…椎間板腔の狭小
変形性腰痛症の治療
保存療法として、患部の保護を目的とした装具の装用(コルセット)や薬物療法、リハビリテーションでは運動療法を行います。下肢に神経症状があればブロック注射も検討します。(当院で行っているのは仙骨ブロックのみです。効果がない場合はペインクリニックへご紹介となります。)
高度な脊柱変形がみられ、神経症状や脊柱管狭窄症の症状で日常生活に支障をきたしているケースは手術を考慮し近隣の病院へご紹介となります。