膝の外側靭帯損傷の原因と症状、検査、治療「膝関節外側側副靭帯(LCL)損傷」
外側側副靭帯損傷の原因とは?
膝関節に存在する主要な靱帯の一つに外側側副靭帯があります。外側側副靭帯は膝関節の外側の安定性を保つ働きをしており、膝関節に外側から内側方向への衝撃や膝より下の下腿に捻りが加わることで損傷します。症状
・膝の外側の痛み、腫れ・膝の外側を圧迫すると痛みが生じる
・膝を曲げ伸ばしした時に膝の外側に痛みが生じる
・膝を内側に反られると、グラグラする
・膝を内に反らせるような力が加わった際に痛みが生じる
画像・診断について
徒手検査では圧痛、ストレステスト、単純レントゲン検査では変性、骨傷の確認、
エコー検査ではLCL損傷の有無、不安定性を評価します。
MRI検査ではLCL断裂の有無、その他半月板・十字靭帯の損傷がないか確認します。
MRI画像
①
LCL周囲に信号変化が見られる
LCL周囲に信号変化が見られる
②
治療について
重症度により治療は異なります。Ⅰ度損傷
歩行は可能な状態です。関節が固くならないように、可動域訓練を行います。また大腿の筋力低下を予防するため筋力訓練を行います。その後、可動域と筋力が健側と同等レベルまで改善したら、スポーツ復帰となります。
Ⅱ度損傷
1~2週間程度ギプスシーネやニーブレースで固定後、靭帯矯正サポーターへ変更し可動域、歩行訓練を行っていきます。サポーターは一般的には6週間以上装着します。膝の可動域と不安定性が健側と同等レベルまで改善したらスポーツ復帰です。
Ⅲ度損傷
原則的には保存的治療を行います。ただし、Ⅲ度損傷は十字靭帯損傷や半月板損傷を合併している事が多く、特に前十字靭帯の手術が必要になる場合が多いので注意が必要です。 Ⅰ度、Ⅱ度損傷の治療同様、ギプスシーネやニーブレースで固定後、サポーターに切り替えリハビリを行います。