この度第5回日本運動器SHOCKWAVE研究会学術集会で一般演題の発表を行いました。演題名は「急性期足関節靭帯損傷に対して体外衝撃波治療を行い早期競技復帰できた一症例」です。

　体外衝撃波治療は除痛を中心に長期的に治療を行うと組織修復の効果が見込める治療です。治療の禁忌（行ってはいけない症例）は低出力の治療では悪性腫瘍と幼児のみであり幅広い患者さんに行える治療です。当院には多くのスポーツ選手が来院されますが、特に多いのが試合前の怪我で除痛を希望して来院される患者さんです。そのような患者さんにも体外衝撃波治療を行う機会が最近増えてきております。
　今回は大会4日前に捻挫をした新体操競技の選手に体外衝撃波治療を行い、競技復帰した症例の報告を行いました。急性期にはまだ体外衝撃波治療は盛んには行われておらず、その効果は不明な現状がありますが、今回の症例は衝撃波を行い8割ほど痛みが改善し、大会後も痛みが悪化することなく競技を行えました。よって体外衝撃波治療が、早期復帰を望む選手の除痛ツールとして使用できる可能性が示唆されました。
　治療にはまだエビデンス（科学的な根拠）は乏しいですが、これからも検証を行い選手のスポーツサポートに寄り添える治療を行っていきたいと思います。