インソール作成講座 実技編

2017/10/05
#理学療法士
理学療法士
髙野 秀人

内容:クリニカルインソール 実技編
日時:H29年9月10日
場所:上田整形外科内科
講師:山本 昌樹先生(特定医療法人誠仁会 大久保病院)

前回に引き続き、インソールの勉強会(実技編)に参加させていただいたのでご報告致します。
第2回までは歩行観察・分析とテーピングを用いての評価を行いました。基本的な足関節の動きの捉え方には、後足部の回内・回外があります。足部を3つのパートに分割したときの後足部(踵)が内側に倒れたものを回内、外側に倒れたものが回外です。
後足部の回内が強くなると内側にある縦アーチ(土踏まず)が扁平化し、扁平足となります。実際にはレントゲンを用いて確定診断されます。若年のスポーツ選手で扁平足にともなって生じるのが有痛性外脛骨障害(足の内側の痛み)やシンスプリント(脛の痛み)といった障害です。

 今回は歩行、荷重時に後足部回内しさらに膝が内側に倒れてしまう(Knee Inと言います)症例のインソールを作成しました。
あらかじめテーピングを用いて後足部回外、下腿(脛の部分)の内旋方向への誘導によって動作が改善することを確認し、インソールでも同様に後足部回外、下腿を内旋へ誘導しました。インソールを装着して再度、歩行を観察すると後足部の回内動揺と膝のKnee Inの軽減を確認できました。

インソールのメリットとして無意識下でも下肢全体の良い動作や、筋肉の活動を促せることが挙げられます。ただ、このインソールの導入に関しては自費診療になることや備品が多く必要であるといった課題もあります。

今後、毎週月曜日の午後(祝日の場合は火曜日の午後)に診療しているスポーツ装具研究所(こちらでのインソールは保険適用)とも連携し、短期間で作成でき、かつ費用対効果の高い足部疾患へのアプローチを検討しています。

足部疾患で悩んでいる患者さんの力になれるようにこれからも試行錯誤していきます。

この記事を書いたスタッフ
理学療法士
髙野 秀人
花火の名所長岡から長野に移住して5年目!長野県の冬の日照時間の長さと山の美しさ(もちろんえびす講煙火大会も!)に魅了されています。私の治療方針は患者さんと二人三脚で進めるリハビリです。患者さんが目指すゴールに寄り添うこと、症状を十分に説明し、何故この治療が必要なのかを理解していただくことを大切にしています。また足関節を専門にしており、足関節の症例を多く担当させていただいております。陸上競技の経験からアジリティー(俊敏性)トレーニングを得意とし専門の資格も取得しました。速さにこだわりがある方、ぜひお声掛けください。 
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