股関節は体の深部に位置するため、関節鏡を用いた研究は避けられがちでした。そのため他関節と比較すると、研究や治療の有効性が確立されていない関節でした。しかし、医療の発展に伴い股関節の病態解明が進むなかで、寛骨臼と言われる大腿骨頭がはまる部分に付着している線維軟骨の環(下図)が損傷することがわかりました。
その損傷は、股関節唇損傷と名付けられ、股関節痛の原因として広く知られるようになりました。
股関節唇が損傷すると寛骨臼(受け皿)への大腿骨の吸着機能や衝撃を吸収する機能が失われて股関節は不安定になり、痛みや股関節の変形を引き起こします。
股関節唇損傷のリハビリ
一度股関節唇損傷が起こると残念ながら自然に修復することはありません。
しかし、理学療法を中心とする保存療法でその8割は症状が改善するとの良好な成績が報告されています。
股関節周りの筋力の強化や柔軟性を改善することも重要ではありますが、
股関節に隣接する背骨の可動性も重要になり、全身的な調整がリハビリでは必要になります。
これらの事を勉強するために、4月29日京都市で行われたメディカルスタッフのための股関節鏡セミナーin2017に参加してきました。
概要:最新の股関節鏡視下手術と保存療法・術後療法の考え方
日時:平成29年4月29日(土)
場所:京都市 京都リサーチパーク
参加者:松岡佑紀 栁澤彰吾
セミナーに参加して
今回のセミナーでは我々理学療法士のみでなく医師の先生方も演者として参加し、股関節鏡手術の歴史から手術方法など、
コメディカルスタッフとしては学ぶ機会の少ない内容を学ぶことができました。
手術後の理学療法やアスリートに特化した復帰条件を定めるスポーツテストや
復帰までの運動プログラムなど臨床現場に直結することも学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。
今回学んだことを患者さんに還元できるよう知識と技術を磨いてこうと思います。
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
松岡 佑紀
松岡 佑紀
理学療法士の松岡佑紀です。
私は股関節疾患に対する治療と体外衝撃波治療を専門的に行っています。
股関節治療に関しては国内の学会に参加し学術発表を行い、股関節治療の発展を目指しています。
私は股関節疾患に対する治療と体外衝撃波治療を専門的に行っています。
股関節治療に関しては国内の学会に参加し学術発表を行い、股関節治療の発展を目指しています。