女性に多い手首の内側の痛み「ドゥ・ケルバン腱鞘炎」

ドゥ・ケルバン腱鞘炎の原因

 仕事やスポーツなどによる母指の酷使が大きな原因となります。妊娠出産期、更年期の女性に好発します。
手関節撓側(母指側)の腱鞘の肥厚、走行する短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の機械的摩擦などによって炎症が生じ、腱の動きが悪くなります。(滑走障害)
  左母指伸筋腱(赤矢印)

症状


・手関節や母指を動かした時に生じる手首の親指側(手首の内側)に痛み
・手首の親指側(手首の内側)が腫れている
・動作制限

画像・診断

フィンケルシュタインテスト(アイヒホッフテスト)で陽性となります。母指CM関節症との鑑別が重要です。
超音波検査で腱の状態の確認、炎症の評価を行います。

例)超音波画像
母指伸筋腱長軸像

患側の伸筋腱が健側より肥厚しています。

母指伸筋腱短軸像

患側の伸筋腱の面積(赤)が、健側より大きくなっており、肥厚しているのがわかります。

腱鞘炎の治療

患部安静のため固定(シーネ)や炎症を抑える消炎鎮痛剤を使用します。痛みが強い場合は腱鞘内にステロイド注射を行います。
保存療法で改善されない場合は腱鞘切開術を検討します。
 
長野整形外科クリニック
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