2024年11月16日~17日に新潟市で開催された第35回臨床スポーツ医学会学術集会で当院理学療法士の髙野が口述発表を行いました。
発表演題:急性足関節外側靭帯損傷に対する拡散型圧力波治療により即時除痛が得られた一症例
足首の捻挫はスポーツ外傷全体の約25%を占め、その85%が外側に生じます。通常の足関節捻挫(ここでは頻度の高い外側靭帯損傷のこととします。)の治療としてはギプスによる固定や、内服、テーピング、サポーターなどがあります。近年では拡散型圧力波がスポーツ現場でも用いられており、筋損傷に対する効果も報告されています。拡散型圧力波は炎症を抑える効果や痛みを軽減させる効果があります。今回足関節捻挫の急性期における除痛に対して効果的であった症例を経験したため、その治療経過を発表しました。
この症例では足関節外側靭帯と診断されたのち(骨折を除外)、拡散型圧力波を実施することで直後から痛みの強さが70%軽減しました(VisualAnalogScaleを用いて治療前後で痛みの強さを測定)。痛みを軽減できたことでスムーズに運動療法(可動域訓練やバランス訓練)に移行することができ、リハビリテーションを継続しつつ元のスポーツに復帰しました。
注意点として、組織の治癒期間の面では十分でないことがあげられます。靭帯損傷の治癒期間は4~8週程度を要するため痛みが減ったからといってすぐに元のスポーツに復帰すると再度受傷する可能性が高くなります。スムーズなリハビリテーションを実施するためのオプションとして拡散型圧力波は有効である可能性がありますが、その利用に関しては十分に選手・医師・理学療法士・トレーナーと話し合ったうえで決めていく必要があります。
長野整形外科クリニックでは地域スポーツに対し貢献できるクリニックになるため、引き続き自己研鑽に励んでいきたいと思います。
理学療法士
髙野 秀人
髙野 秀人
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
髙野 秀人
髙野 秀人
花火の名所長岡から長野に移住して5年目!長野県の冬の日照時間の長さと山の美しさ(もちろんえびす講煙火大会も!)に魅了されています。私の治療方針は患者さんと二人三脚で進めるリハビリです。患者さんが目指すゴールに寄り添うこと、症状を十分に説明し、何故この治療が必要なのかを理解していただくことを大切にしています。また足関節を専門にしており、足関節の症例を多く担当させていただいております。陸上競技の経験からアジリティー(俊敏性)トレーニングを得意とし専門の資格も取得しました。速さにこだわりがある方、ぜひお声掛けください。