骨粗鬆症治療中の歯周病患者様及び歯科医療従事者様へ

 骨粗鬆症治療中の歯周病患者様及び歯科医療従事者様へ


・日本整形外科学会雑誌vol.93 No.1(2019)によくまとめられた論文が掲載されております。(骨粗鬆症患者の顎骨壊死―改定ポジションペーパー2016の問題点と新規予防法の効果―松本歯科大学 田口明 先生) 

要約しますと、
①   骨粗鬆症患者では歯周病リスクが高く(Odds ratio:2-3)、ビスフォスフォネート製剤(BP)やデノスマブ製剤(DMAB)による骨粗鬆症治療は、歯周病及び顎骨壊死のリスクを軽減できる。
②   そのためには日々の口腔ケアと歯科での定期受診check(3か月毎)が推奨される。
③   BP関連顎骨壊死は、最近ではDMABや血管新生抑制薬でも報告され、薬剤関連顎骨壊死と世界的には認識されているが、日本のポジションペーパーは未だ骨吸収抑制薬関連顎骨壊死としており、歯科受診難民が増加の一途を辿っている。
④   A-TOP試験などでも、骨吸収抑制薬中止により顎骨壊死頻度は低下せず、むしろ増加傾向にある。
⑤   顎骨壊死の本態は骨髄炎であり、その後、腐骨形成したものと考えられている。
⑥   全世界的には顎骨壊死の発生率は、特にドイツ・カナダで著明に低値であり、これは抜歯部の一次創閉鎖や、歯周病・骨粗鬆症を含めた、教育・治療が発展していることに寄与している。
 


骨粗鬆症治療は、顎骨壊死や歯周病治療の弊害となると以前は言われていましたが、最近の知見では、むしろ骨粗鬆症治療休薬および抜歯時期延長に伴い、顎骨壊死の頻度は増加しております。
また顎骨壊死の病態は骨髄炎であり、貴院におきましては、骨粗鬆症治療薬を継続しながら歯周病予防・治療に努めていただき、顎骨壊死及び骨折予防に共にお力添えいただけると幸いです。骨粗鬆症治療は、現在では様々な治療選択がありますので、いつでも御相談ください。    

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