腰椎椎間板性腰痛
- 2017/04/21
腰椎椎間板ヘルニアは、加齢や外傷によって線維輪に亀裂が入り(線維輪損傷)、そこから飛び出した髄核が神経を圧迫してしまうことです。
腰椎椎間板ヘルニアの有病率は10万人あたり463人といわれており、人口の約1%が発症するともいわれています。
男女比は2:3で男性が多いと報告されており、20~40歳代に好発します。
事務作業者と比較し重労働者に発生率が高く、とくにドライバー、金属・機械労働者に高い傾向がみられます。
さらに喫煙は、腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクが約20%高くなるともいわれています。
椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが神経を圧迫している高さによって異なります。
腰椎椎間板ヘルニアは、5つある腰椎の4番目と5番目の間と5番目と仙骨の間で起こりやすいです。
主な症状は、腰の痛みだけではなく、おしりや脚に痛み・しびれがでたり、脚の感覚が鈍くなったり、脚の力が入りづらくなったりします。
診察や問診で腰やおしり、あしの痛みの程度や場所を確認します。
腰椎椎間板ヘルニアは、表在感覚の低下や筋力の低下を認めることが多いため、あしの感覚に異常があるかや筋力が落ちていないかのチェックをします。
またヘルニアのでている高さの神経を伸ばすと痛みがでることも多いので、脚をもちあげたり、膝を曲げたりして痛みがでるかを確認する検査(神経伸張テスト)も行います。
症状と検査で腰椎椎間板ヘルニアが疑われた場合、椎間板やヘルニアはレントゲンには写らないため
MRI検査
を行います
。
腰椎椎間板ヘルニアの約80%は自然に軽快するとされています。
そのため必ずしも手術が必要というわけではなく、安静にすることや腰椎コルセットの装着、リハビリ、神経に対する注射・薬の服用によって治療することが可能です。
しかし、神経が非常に強く圧迫されている場合や日常生活が送れないほどの痛みが出現したり、自力で足首が起こせなくなったり、トイレのコントロールが困難になったりすることがあります。
そのような場合には、早急な手術が必要な場合もございますので早めに医療機関への受診をお勧めします。