2019年11月16日(土)~17日(日)にパシフィコ横浜で開催された第30回臨床スポーツ医学会学術集会において当院柔道整復師の神長涼が「エアーデッドリフトがハムストリングスの柔軟性改善に及ぼす効果」という演題で口述発表してきました。
前屈動作時に股関節や骨盤周囲の動きが不十分だと、腰への負担が多くなり、腰痛を起こしやすくなります。その原因の1つにハムストリングスの柔軟性低下が考えられます。
日常生活動作の中で前屈動作時に腰へかかる負担を減らすために、前屈動作の正しい方法を意識しながら、同時にハムストリングスの柔軟性を向上させる方法として、通常ウェイトトレーニングで行われるデッドリフトの動作を利用し、今回は重さや負荷をかけずに行う方法を「エアーデッドリフト(以下AIRDL)」と名付け、指導しました。
ハムストリングスの柔軟性の評価には、膝を伸ばした状態で股関節を曲げ、脚を上げていく検査(SLRテスト)と立った状態で膝を伸ばしたまま体幹を前屈していき、指先から床までの距離を測る(FFD)の2つの検査を行いました。
AIRDLを30回(1~2秒ペース)実施し、AIRDL前後でハムストリングスの柔軟性が改善しているかを評価しました。結果は、AIRDL前後で左右SLRテスト、FFD共に有意に改善し、AIRDL直後でストレッチ効果がすぐに得られた結果となりました。
またストレッチ効果と共に股関節や骨盤を意識させ前屈動作を行うことにより、腰への負担が減り、腰痛予防にもなると考えました。
この研究を通して得られた知識や経験、また学会に参加して得られた知識を実際の治療に生かし、より良い治療が提供できるよう今後も精進してまいります。