ヘルニコアを用いた化学的髄核融解術(椎間板内酵素注入療法)

ヘルニコアとは

椎間板は腰椎の骨と骨の間にあり、クッションの役割をしています。その一部が出て神経を圧迫し、腰痛や下肢痛の症状をきたすのが腰椎椎間板ヘルニアという病気です。
従来は腰椎椎間板ヘルニアに対する根本的な治療は手術で取り除くことしかありませんでしたが、2019年8月に「ヘルニコア」という薬が国内で保険適用になったため、注射で椎間板ヘルニアを治療することが可能となりました。「ヘルニコア」の薬液を椎間板に注入すると、椎間板内の水分量が減ることで体積が減少し、ヘルニアによる神経への圧迫が改善します。



 

へルニコアの適応

腰椎椎間板ヘルニアと診断されてから、薬物療法、理学療法、装具療法(コルセット)、神経ブロックなどの治療が十分に行われ、それらの効果が無いときに適応になります。大きく出てしまったヘルニアには適応がなく、靱帯(後縦靱帯)を破っていないタイプの椎間板ヘルニアにのみ適応があります。MRIの画像所見を見てヘルニコアの適応があるかを判断します。
注射してから効果が実感できるまで2週間程度かかります。当院で治療を行った方は約80%に効果を認めています。


 

ヘルニコアの副作用

ヘルニコアの副作用は、通常の医薬品と同様にアレルギー反応としてじんま疹やかゆみが出る例があります(約6%)。
また、薬液の注入により一時的に椎間板の内圧が上昇するため、一過性に腰痛(約20%)や下肢痛(約5%)を生じることがあります。
 

ヘルニコア投与の流れ

①レントゲン台に横になり体の位置を調整します。
 X線でヘルニアのある椎間板を確認しながら、針を刺す場所を決めます。
                
②針を刺す位置を消毒し、局所麻酔を行います。
   
      
ヘルニアのある椎間板内に針を刺し、ヘルニコアを注射します。                  


④病棟に戻り、しばらく安静にします。

   薬による副作用がないかなどの確認をします。

*椎間板の位置にもよりますが、約30分で終了します。
*手術室にて行います。

 

費用について

本治療は健康保険の適応となっており、自己負担額は入院費を含めて5〜6万円です(3割負担の場合)。
ホームページに「日帰り可能」と掲載している施設もありますが、注射後の副作用の有無を見るために、ほとんどの施設では1泊2日の入院で行われています。



 

まとめ

本治療は保存治療(内服・ブロック注射・リハビリなど)と手術治療の中間的な位置付けです。
局所麻酔で行えるなど体への負担は少なく、80%程度の有効率が期待できます。
-3ヶ月にわたって腰椎椎間板ヘルニアの症状に悩まされているけれども、手術には抵抗があると感じている方などにおすすめの治療です。
ご希望の方は担当医へお気軽にご相談ください。


 

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首・腰の痛み、手足の神経痛・しびれにお悩みの方はご相談ください。皆様が痛みやしびれから解放されるお手伝いをさせて頂きたいと思います。手術だけではなく、薬物治療・神経ブロック・運動療法などを駆使して患者さんに合わせた最善の治療を提供させて頂きます。

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