椎間関節性腰痛

2017/04/09
理学療法士
早瀬 有美加

椎間関節性腰痛

椎間関節性腰痛は、この椎間関節が原因で起こる腰痛のことです。
では椎間関節とは何か、順を追って説明します。

脊椎

人間の背骨は頚椎・胸椎・腰椎に分けることができます。それぞれの部位は下記の骨の数で構成されています。

腰椎の上下の骨は椎間板と左右の椎間関節と呼ばれる関節によって連結されています。
上下の腰椎の間には神経根と呼ばれる神経が通っています。
腰椎の間を通っているこの神経が下肢まで伸びて筋肉を動かしたり、感覚を伝えたりしています。
 

上下の骨が面している部分には、関節軟骨があり骨同士がぶつからないようにクッションの役割を果たしてくれています。
椎間関節の周囲は関節包と呼ばれるコラーゲン線維の袋によって覆われています。
この関節包の内側からは、滑液と呼ばれる潤滑油が分泌され、関節の動きを滑らかにしてくれています。
身体の運動は関節で起こります。
例えば、膝の曲げ伸ばしは膝関節が動くことで起こりますし、腕の上下は肩関節が動くことで可能となります。
腰椎の椎間関節腰の動きを作っている部分と言えます。

椎間関節性腰痛は、この椎間関節が原因で起こる腰痛のことです。
椎間関節が原因で痛みが起こるということは、椎間関節に何らかのストレスがかかるっているということが考えられます。
では、椎間関節にはどのような時にストレスがかかるのかを説明していきます。


 

椎間関節へのストレス

椎間関節は腰を反らす動き(伸展)と腰を捻る動き(回旋)によって関節面が圧迫され、ストレスを受けるとされています。
大まかな椎間関節性腰痛の特徴は、腰の反らしと捻りによる痛みです。
 

捻りの動きである回旋は左右方向があります。
右側の腰に痛みがあり、椎間関節性腰痛が疑われる場合は、左右どちらに捻ることで痛みが悪化するでしょうか?
 

一般的に右側の椎間関節にストレスがかかる動きは、上半身の左方向への捻りです。
右の図のように、左方向に上半身を捻ることで右の椎間関節には圧迫力が加わります。

さらに身体を反らしながら、腰痛のない側に上半身を
捻ると、より痛みが強くなることが多いです。

右の写真のように身体を反らしながら左に捻っている場合は、右の椎間関節にストレスがかかっていることになります。

また多くの場合、右か左かどちらか決まった側の腰に痛みを感じることが多いのも特徴です。

そのような場合、痛みが出ている側の椎間関節が原因で腰痛が発生している可能性があります。

痛み自体は左右どちらかの腰だけに感じるということが多いですが、時には殿部までの痛みが広がることがあります。
そのような場合、椎間板ヘルニアなどの疾患と区別することが難しい場合があるので医療機関への受診をお勧めします。

椎間関節性疼痛が疑われる場合、基本的にはリハビリテーションと服薬での治療となります。

場合によっては関節に痛み止めの注射を打ち、痛みを緩和する方法もあります。
いずれの場合でも医師をはじめとしたそれぞれの分野の専門家が治療させていただきますので、気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いたスタッフ
理学療法士
早瀬 有美加
アレックス脊椎クリニックに勤務しております理学療法士の早瀬有美加です。
主に脊椎疾患である腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、筋筋膜性腰痛症などの腰部の病気や、肩こり、頚部痛を中心にリハビリを行っています。
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