肩こり・首の痛み

2020/08/01
理学療法士
早瀬 有美加

肩こり・首の痛みを感じることはありますか?



長時間のデスクワークのあと、肩や首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張ったり凝っているような感じがしたことはありませんか。
肩こりや首の痛みの原因はいくつかあり、そのなかで多くみられるのが、同じ姿勢を長時間続けること、眼精疲労、運動不足、ストレスによるものと言われています。 
最近ではテレワークの方も増え、自宅での事務作業が多くなり肩こりを感じている方も多いのではないでしょうか。

痛みに関係する筋肉

肩こりや首の痛みに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後ろから肩、背中にかけて幅広い筋肉(僧帽筋(下図の赤い部分))が主に関係しており、この僧帽筋に負担がかかっている可能性があります。負荷がかかり続けると、筋肉が衰え、柔軟性を失ってこわばり、緊張し、更に血流が悪くなり「肩こり」「首の痛み」を悪化させます。

主な症状

●首の筋肉が張った感じがする
●肩の重だるい感じがする
●首から背中のあたりまで張っている
●首を回すと音がする
などが挙げられます。

考えられる原因



●首や背中が緊張するような姿勢での作業(デスクワークやものづくりなどの細かな作業での前かがみの姿勢など)
●姿勢の良くない人(猫背・前かがみ・スマホ首)
●目の使い過ぎ(眼精疲労)
●運動不足
●精神的なストレス
●なで肩
●巻き肩
●ショルダーバッグを片方の肩にずっとかける
●冷房の効いている部屋に長時間滞在する(冷え)

などが原因として挙げられます。
日常生活に支障がない段階では自然治癒することが多いのですが、痛みが強くなってきて日常生活に支障をきたしている場合には、早期の診断・治療が必要となります。
 

検査

問診、触診、画像検査などの検査を行い、診断をします。単なる肩こりか、病気(椎間板ヘルニアなど)かを判別することが大切になります。画像検査ではX線(レントゲン)撮影を行います。首の骨のカーブが無くなり、真っすぐになる「ストレートネック」が見られることが多いです。また患者様の経過に応じて軟部組織の状態を精査する為に超音波検査やMRI検査を行う場合があります。 

肩こりに対する予防

肩こりの一番の予防方法は「同じ姿勢を長く続けない」ことです。長時間のデスクワークも、途中で立ち上がって伸びをしたり、肩を動かしたりすることが大切です。
パソコンの画面をのぞき込むように見るのではなく、画面の高さを顔の高さまで上げることで、仕事中の姿勢を改善出来ます。
家に帰って、蒸しタオルなどで肩を温めて血流を良くし、疲労をとることも効果的です。片方の肩に負荷がかかるショルダーバッグではなく、リュックサックを背負うのも良いでしょう。
 

肩こりに対する注射

当院では、肩こりの原因となっている筋膜のすべりを良くする目的でハイドロリリースという注射を希望者には積極的に行っております。それほど痛い注射ではなく、注射当日の入浴も可能です、大きな副作用もありませんので、安心して治療を受けていただけます。ただし、肩こりは注射やマッサージでは一時的に楽になるだけで、治りません。自分で首や肩、背中を動かして治すのが本来の治療です。しかし、自分で動かす前にハイドロリリースを行うと、動かしやすくなり、治療効果が増強されます。注射が苦手な人は、無理して注射する必要はありません。



 

肩こりに対するトレーニングの紹介

自宅で簡単にできるトレーニングを紹介します。
痛みがある場合はトレーニングを中止し、医師の診察を受けて下さい。
 

肘回し体操
猫背や巻き肩が改善できるトレーニング

たけのこ体操

この記事を書いたスタッフ
理学療法士
早瀬 有美加
アレックス脊椎クリニックに勤務しております理学療法士の早瀬有美加です。
主に脊椎疾患である腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、筋筋膜性腰痛症などの腰部の病気や、肩こり、頚部痛を中心にリハビリを行っています。
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