「第10回ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会」参加報告

2024年10月19日・20日に神奈川県、ステーションコンファレンス川崎にて開催された「第10回ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会」において当院、理学療法士の田中聡子・早瀬有美加・保田みはるが学術発表してきました。





演題:妊産後期から産後6カ月までの尿失禁及び腰部骨盤帯痛の経時的変化



妊婦27名を対象とし、妊娠後期から産後6か月まで、継続して尿失禁と腰部骨盤帯痛についてアンケート調査を行いました。
その結果、尿失禁の有訴率は妊娠後期から産後 3〜4 ヵ月までに減少するものの、 5〜6 ヵ月で増加しました。
腰部骨盤帯痛の有訴率は、産後、徐々に低下するものの産後 5〜6 ヵ月でも半数近くの方に症状を認めました。
さらに、時期によって尿失禁のタイプや、痛みのある場所も変化することがわかりました。

妊娠・出産による尿失禁や腰部骨盤帯痛は決して当たり前ではなく、ただ我慢している必要はありません。
お辛ければ、お早めに医師にご相談ください。
調査に協力してくださった妊婦の方々に、心より御礼申し上げます。

田中聡子


演題:産後約15年経過した女性の腹直筋離開と腰痛への理学療法効果


この症例報告では、帝王切開での出産を経験し腹直筋離開とそれに伴う慢性的な腰痛に苦しむ40代女性に対して理学療法を行い、腰痛が消失した症例を取り上げました。
超音波検査で腹直筋離開が確認され、産後約30~60%の女性がこの状態を経験することがわかっています。(Kimmich et al, 2015 Sperstad et al,2016) 
腹直筋離開により腹部の筋力が低下し、腰に負担がかかることで痛みが発生していましたが、徒手療法やエクササイズにより筋肉の機能が回復し、腰痛が軽減されました。 
年齢に関係なく、腹直筋離開への早期介入が重要と考えました。
今後もこの知見を基に、より良い治療を提供していきます。

早瀬有美加

演題:抱っこで頸部痛を発症した男性症例


2人目のお子さんの誕生に伴い、育児休暇中に抱っこする機会が増えたことで頸部痛が生じた男性の症例を発表しました。
理学療法を開始したところ、抱っこ時の不良姿勢が頸部の椎間関節に負担をかけていたことが判明しました。
抱っこの正しい姿勢や時間についての指導を行った結果、4週間後には頸部痛が消失しました。
この症例から、育児による身体の負担が男性にも影響することが示唆され、正しい姿勢や動作指導が男性にも必要であることがわかりました。

育児中の痛みは「仕方がない」ことではありません。
お辛い症状がある場合は、どうぞお早めに医療機関へご相談ください。

保田 みはる


また田中聡子PTが奨励賞を受賞しました。


妊娠・出産や更年期など女性特有の腰痛についてこれからも研究を行い、腰痛に苦しむ女性を少しでも楽にして差し上げられるよう、研鑚してまいります。
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