腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の手術

2017/12/31
医師
吉原 潔

 

当院では内視鏡を用いて手術を行っています

 


実際に内視鏡下手術で使用する器具の一部です。

腰椎椎間板ヘルニアで手術が必要な症状と適応


・坐骨神経痛や足のしびれなどの症状が強い方

・症状が3ヵ月以上続いていて、症状の軽快がみられない方

・坐骨神経痛や足のしびれなどの症状が内服や神経ブロック注射を行っても変化がなく、症状が楽にならない重度の症状の方

・リハビリを行っても症状が改善しない方

・尿漏れや残尿感などが出現している方

・足首が上に上がらない、つま先立ちができないなどの筋力低下がみられる方

腰椎椎間板ヘルニアの2つの手術方法

・全内視鏡下椎間板切除術(FED法)
・経皮的髄核摘出術(Mini PED法)

  手術の傷口       適応   入院期間
  FED(PED)法    7〜8mm       ヘルニア     3~4日
   Mini PED法    7〜8mm   軽度のヘルニア     1~2日

全内視鏡下椎間板切除術(FED法)

直径8mmのチューブの中に内視鏡と内視鏡の中に鉗子を入れて行う手術です。
内視鏡は腰より椎間板に向かって挿入します。飛び出したヘルニアを鉗子で摘出します。
 

FED法には2つの方法があります

・IL(interlaminar )法:経椎弓間法
・TF(transforaminal )法:経椎間孔法

 

IL法(interlaminar)法:経椎弓間法

IL法は腰の後方からヘルニアを摘出する方法です。

腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすい腰椎の4番目と5番目の間(L4/5)、腰椎の5番目と仙骨の間(L5/S1)のヘルニアに対して通常行われます。

 

 

TF(transforaminal)法:経椎間孔法

TF法は腰の後側方からヘルニアを摘出する方法です。

上位腰椎(L2/3、L3/4など)のヘルニアの場合に行われます。

 

経皮的髄核摘出術(Mini PED法)

軽度のヘルニアや椎間板の膨隆がある場合に行います。
また、軽度のヘルニアでパフォーマンスに支障が出ているスポーツ選手に勧められています。
他の手術に比べ手術の適応には制限があります。
手術前日に入院し、手術当日に退院が可能です。

 

 

 

脊柱管狭窄症で手術が必要な症状と適応

・間歇性跛行(数十m歩くと腰痛や足のしびれなどで休息したくなる)が強い場合

・坐骨神経痛、両足のしびれ、間歇性跛行などの症状が内服や神経ブロック注射を行っても変化がなく、
 症状が楽にならない重度の症状の方

・リハビリを行っても症状が改善しない場合

・尿漏れや残尿感などがある場合

・足首が上に上がらない、つま先立ちができないなどの筋力低下がみられる場合

 

脊柱管狭窄症の2つの手術の方法

・内視鏡下椎弓切除術(MEL法)
・経皮的内視鏡下椎弓切除術(PEL法)
 

  手術の傷口         適応   入院期間
   MEL法    2cm〜    複数箇所の狭窄症     5~7日
   PEL法    7〜8mm    1箇所の狭窄症     3〜5日

 

内視鏡下椎弓切除術(MEL法)

直径16mmのチューブの中に内視鏡と鉗子を入れて行う手術です。
狭窄の原因となる骨や靭帯の肥厚を切除します。
2ヵ所以上の狭窄がある場合はこちらの術式で手術を行います。

経皮的内視鏡下椎弓切除術(PEL法)

PEL法ではPED法専用の鉗子を使用するため、MEL法より小さい手術器具を使用します。
なのでMEL法より傷口は小さいですが、手術の適応には制限があります。
PEL法は骨性の狭窄症(椎間関節の肥厚などによる狭窄)ではなく、靭帯の肥厚のみで狭窄が起こっている場合に適応されます。

この記事を書いたスタッフ
医師
吉原 潔
首、背中、腰など背骨の痛みや病気を診る脊椎外科医です。
日本でまだ数少ない脊椎内視鏡手術技術認定医の資格を有し「小さな傷での内視鏡手術」を得意とします。
手術件数は4000例を超えます。
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