肘関節内側側副靭帯損傷はなぜ生じるのか?
肘関節の内側側副靭帯の損傷は、転倒や脱臼などのケガによる急性外傷、投球障害などの慢性的なケースがあります。
急性外傷の場合は、スポーツ時に手を伸ばした状態での転倒や、格闘技などでの固め技で捻挫・脱臼を生じ内側側副靭帯が損傷します。
慢性的なケースは、投球動作などの繰り返される肘の負荷が原因で靭帯が損傷します。他にはテニスのサーブや槍投げといった動作でも同様の負荷が加わってしまい、損傷しやすくなります。徐々に痛みが生じる場合と、一回の投球時に急に痛みが生じ、以降投球が困難となる場合があります。
症状
・肘の内側が痛い、押すと痛い
・肘の内側が腫れている
・肘の曲げ伸ばしで痛い
・
投球時、テニスのサーブや槍投げの時に痛い
画像検査について
単純レントゲン検査では骨の形態、剥離骨片の有無を確認します。
超音波検査で靭帯の走行・不安定性を評価、MRI検査で靭帯損傷の有無がないか評価します。
MRI画像
例)
正常
MCL損傷
MCL(赤)の線維構造が不明瞭、
周囲に信号編号変化が見られる。
例)肘関節脱臼
①
MCL線維構造が不明瞭となっている。
②
治療について
急性外傷の場合は、患部をシーネやギプスで固定し、その後リハビリテーションで可動域訓練と筋力訓練を行います。
慢性的なケースの場合は疼痛を誘発するスポーツ動作(投球動作など)の禁止、リハビリテーションでストレッチや筋力訓練、投球フォームのチェックを行います。
損傷程度が大きい、保存療法では改善しない場合は手術を検討します。