難治性足底腱膜炎
難治性足底腱膜炎とは?
足底腱膜炎とは足裏の腱と骨の付着部で炎症が起き踵周辺に痛みがでる疾患です。そのなかでも、ストレッチやインソール、湿布などの保存療法を6カ月以上受けて効果がみられないものを難治性足底腱膜炎といいます。
足底腱膜炎について詳しくはこちら
体外衝撃波治療とは?
衝撃波を患部に照射する整形外科では新しい治療法です。ヨーロッパを中心に普及し、足底腱膜炎など多くの疼痛性疾患の除痛を目的とした治療に応用されています。欧米ではスポーツ選手を中心に、低侵襲で安全かつ有効な治療法として使用されています。筋・腱付着部障害に対する衝撃波療法の作用機序は病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とすることにあります。また、衝撃波が局所的に血管新生を誘導し組織修復を促すことが分かっています。皮膚の上(体外)から非連続性の圧力波である衝撃波を照射する治療です。
体外衝撃波治療の特徴
•1回の治療時間は15分程度
•治療頻度は2週間に1回で3回ほど(使用していて効果を認める場合は、効果が認められる限り継続)
•外来通院で治療可能
•麻酔など行わず、傷跡なども残らない
体外衝撃波治療の効果
短期的除痛(神経に対する効果)
●疼痛を誘発している自由神経終末の終末部を破壊する●痛みに関わる神経内の伝達成分を減少させる
慢性的な疼痛は、痛みを感じる自由神経終末という神経の増加によって痛みに対して敏感になってます。
長期的除痛 組織修復作用(腱に対する効果)
●血流を改善する。(血管の新生)●Ⅰ型コラーゲン産生を促す成長因子を生み出す効果があり、それらが変性した腱組織を再生させる。
副作用など
副作用がほとんどないのが体外衝撃波治療の特徴ですが、以下のことが起こる可能性があります。
治療中・治療後の疼痛
皮下出血、発赤、湿疹•腫脹•感覚異常いずれも一時的な症状で数時間から数日で軽快します
禁忌
国際衝撃波治療学会で示されている禁忌症(整形外科領域)
集中型および拡散型
•悪性腫瘍
•胎児、妊婦
•集中型
•肺への照射 •悪性腫瘍
•脳・脊 髄へ の 照 射
•血栓・血液凝固異常のある方
コンセプト
従来の一般的な治療を受けても症状の改善が乏しい難治性の足底腱膜炎を呈する患者さんも、ごく一部ですが存在します。このような『6カ月以上の保存療法を行なっても改善が得られない難治性の足底腱膜炎』に有効な治療法として、体外衝撃波治療は2012年11月より保険適用になりました。
「体外衝撃波治療器」は、メジャーリーグや日本トップレベルのスポーツ界においては、今や通常治療の選択肢となっていますが、大病院や大学病院などにしか置かれていませんでした。
これまで、一部の人々のためのものであったこの最先端医療を、私たちは出来る限り、一般の患者さんにも広く提供していきたいと考えています。
2018年より、当院でも体外衝撃波治療機器デュオリスSD1を導入しました。
体外衝撃波治療までの流れ
1.診察
診察で病態を把握し治療の適応かを判断します。
2.検査
検査を実施し、どこが痛みの原因か詳細に確認します。
3.治療計画
難治性疼痛外来で治療プランを患者さんと決定します。
4.治療開始
プランに応じて体外衝撃波治療行います。症状に応じて、治療内容を変更します
5.リハビリ
痛みと組織損傷の原因となった身体の機能改善を目指し、より早い治癒とともに再発予防を目指します。
料金について
予約料
体外衝撃波治療は『完全予約制』で、体外衝撃波を行う時間を確保して行なっております。その為、診察料金に加えて予約料を頂いております。*初回の場合、予約料は発生致しません。
★難治性足底腱膜炎
体外衝撃波は保険適応 初回 15,000円(3割負担)
(2回目以降)
予約料・・・1回 7,500円(税込8,250円)
例)
難治性足底腱膜炎(片側)に対して体外衝撃波治療を合計3回施行した場合
(保険適応 3割負担の場合)
・診察料 約 2000円
・XP、US、MRIなど検査料 約 8000円
・初回体外衝撃波治療 保険算定料 約15000円
・ 2.3回目体外衝撃波 予約料 約15000円
・リハビリテーション(3回) 約 3000円
合計費用 約 43,000円*
*装具、注射など上記以外の治療を実施した場合はその他の費用が発生致します。
★体外衝撃波治療は、適応がございます。体外衝撃波治療は、通常の診察とは別に体外衝撃波治療の予約が必要です。
症例紹介
症例① 足底腱膜炎
2020/03/24