足の指の疲労骨折を呈した高校野球選手のリハビリ(物理療法)

2022/09/12
理学療法士
久保 大輝

今回は足の指の疲労骨折に対するリハビリテーション:物理療法を紹介します。

症例情報

年齢:16歳 
性別:男性 県内高校野球部
スポーツ:野球/ピッチャー
経過
冬の練習での走り込みメニューをして徐々に痛みが出現し当院に受診しました。
超音波検査で第4中足骨の疲労骨折と診断され、治療開始しました。

治療

物理療法を実施しました。
物理療法紹介
低出力超音波パルス療法 LIPUS(リーパス)

 リーパス療法は体の表面に置いた治療ヘッドから照射される断続的超音波(パルス波)が骨折部を刺激することにより、骨癒合期間を短縮させる治療法です。
 リーパスには骨芽細胞(新しい骨を作る働きをもつ細胞)や軟骨細胞を促進させる効果があることも報告されていて、難治性骨折や新鮮骨折のみならず疲労骨折に対しても効果があると考えられています。
 疲労骨折に対するリーパスの有効性に関する研究は多数報告されていますが、一方で疲労骨折に対してリーパスの効果はなかったと結論付けている研究も報告されます。
 根井らはリーパスの効果がなかったという結論に対して、照射位置が重要であると報告しており、骨折部に適切に照射されるように超音波ガイド下などでピンポイントな照射を奨励しています。
(引用文献:下肢の疲労骨折に対する低出力超音波パルスの効果 根井ら 2020)

 疲労骨折は安静加療でも良くなりますが、積極的に物理療法を実施した方が治療期間を短縮させることができるためアスリートにとって有効な治療法と考えられています。
 当院では物理療法のみでのリハビリも可能なので、部活終わりなど頻回に通院していただくと回復が早い場合があります。ぜひご相談ください。
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
久保 大輝
スポーツ選手やスポーツ愛好家の方など患者さんそれぞれのライフスタイルに合ったリハビリテーションを提供できるよう心掛けています。肩関節疾患や野球を専門としていますが、それら以外でもお困りのことがありましたらご相談ください。
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