外脛骨とは?
外脛骨とは足を構成する骨の一つである舟状骨の内側に位置する余分な骨(過剰骨)のことを指します。約15%の人に存在すると言われており、外脛骨障害は思春期の運動量の多くなる時期(10−15歳)の特に女性に多く発症するとされています。また、成人では捻挫などの外傷が原因で痛みが発症することもあります。
外脛骨障害の原因は?
1.外脛骨と舟状骨の間で微細な動きが生じると痛みを誘発させます。
2.外脛骨部分にストレスがかかり痛みを誘発させてしまうこともあります。
通常舟状骨に付着している後脛骨筋ですが、外脛骨がある場合、舟状骨ではなく外脛骨に付着しています。扁平足など足のアーチが潰れてしまっている人は、後脛骨筋は常に緊張しアーチを上げようとします。このとき外脛骨は後脛骨筋腱とともに引っ張られ、舟状骨との間に炎症が生じてしまいます。
症状は?
・うちくるぶし周辺の痛み
・腫れ
・歩くと痛い、走ると痛い
・スポーツ中に痛い
画像・診断について
外脛骨を押して痛みがある場合、スポーツ活動時に同部の痛みがある場合、単純レントゲン画像で外脛骨を確認できた場合に診断となります。
単純レントゲン画像における外脛骨の形態は3種類に分類されています。また骨や付着する腱や周囲の状態を確認するために、超音波やMRI検査を追加することもあります。
Ⅰ型:外脛骨の大きさは小さく、舟状骨から分離して、後脛骨筋腱の中に存在する。
Ⅱ型:外脛骨の大きさは大きく、舟状骨と線維性または線維軟骨性に結合して、後脛骨筋腱の付着部の一部となっている。
Ⅲ型:骨性癒合して舟状骨と一体化し、外脛骨は突起状となっている。
この中でⅡ型が最も痛みを発しやすいタイプです。
例)
単純レントゲン画像
左足に外脛骨が見られます。
治療について
保存療法と手術療法があり、骨の成長が止まる頃には自然治癒することが多いため、第一選択として保存療法で治療を行います。
・保存療法
消炎処置として物理療法(超音波治療器)やIcingで患部の炎症を抑えます。また、症状の度合いによっては運動の休止を検討します。炎症が落ち着いた後、足関節、足部の筋力強化や負担のかからない動きを獲得するために運動療法を行っていきます。足部のアーチが低下している方には アーチサポートのためのテーピングや足底板(インソール)を使用する場合もあります。スポーツ復帰に関しては、担当医師と相談をしながら復帰を検討していきます。
・手術療法
上記保存療法を行い症状の軽減が見られない場合、痛みを繰り返してしまうケースでスポーツ活動の制限が強い方は手術で外脛骨の摘出や、ドリリング(骨に数カ所孔を開けて骨の修復を誘発させる手法)を行います。