膝関節の両オスグット・シュラッター病に対する治療

2022/07/08
理学療法士
長谷川沙椰

今回はサッカーなどのスポーツ時に痛みが発生するオスグット・シュラッター病についてのリハビリテーションを紹介します。オスグット・シュラッター病では大腿四頭筋が硬くなることにより、大腿四頭筋の付着部(脛骨粗面)へのストレスが生じることで痛みが発生します。

症例紹介

年齢:12歳 
性別:男性
スポーツ:サッカー 
主訴:階段を上った時の膝関節前面の痛み
痛みの経過
2020年8月から徐々に痛みが出現していましたが、自己判断で様子見をしていました。
2020年10月サッカーの試合中に相手に膝関節の前面を蹴られて痛みが悪化し、当院を受診されました。
   
・画像での診断(レントゲン写真)

黄色い丸で囲った部分に太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)が付着します。
上記のレントゲン写真では、脛骨粗面が大腿四頭筋に引っ張られるストレスがかかり、骨の形が不整になっており、突出しています。
上記画像所見と、脛骨粗面を押した時の痛みともも前の筋肉(大腿四頭筋)をストレッチした時に膝関節前面の痛みが出現したことから、オスグット・シュラッター病と診断し、リハビリテーションを開始しました。

治療経過

初めのうちは常時膝関節前面に痛みがあり、日常生活でも階段昇降などで強い痛みが発生していました。リハビリテーション評価では太ももの柔軟性が低下していることがわかたため、太ももの前面(大腿四頭筋)・裏側(ハムストリングス)のストレッチなどを指導したところ、日常生活での症状は軽減しましたが、サッカー中・サッカー後の疼痛が残存していました。
スポーツを行いながら症状を改善させるために、当院で処方しているオスグットサポーターの使用を提案しました。


当院ではこのようなサポーターを処方しています。
日常生活、または運動時に装着してもらい、痛みを軽減することを目的としています。


サポーターの写真の黄色い丸で囲まれた部分に柔らかいパッドがついています。この部分が、膝関節のお皿の下部に当たるように装着します。パッドが膝関節の下部にある膝蓋腱を圧迫することで、動作時の痛みが軽減します。
介入後の経過・転機
オスグットサポーターを装着したところ、運動中の痛みが減り、次の日まで続いていた痛みがなくなりました。現在は痛みがなくなり、リハビリ・通院終了となりました。
 
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
長谷川沙椰
理学療法士の長谷川沙椰です。
それぞれの患者様に寄り添ったリハビリができるよう、日々精進していきたいと思っております。
よろしくお願いします。
長野整形外科クリニック
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