第15回 神楽坂スポーツ医学セミナー 参加報告

 学童期の野球選手に多く見られる疾患として「野球肘」が挙げられます。また、野球に関わる傷害の名称は肩関節・肘関節などの上肢に多く、肩関節ではリトルリーガーズショルダー、肘関節では発生率の高い内側型野球肘、発生率は少ないですが重症度が高い外側型野球肘などが良く知られています。

 身体が未成熟な時期に過度な練習量・投球数が重なると肩関節・肘関節が故障することが多く、自身や周囲のケアが不十分であるとより故障が多くなってしまいます。 

 学童期の傷害予防に重要なことは、各地で行われている検診の現状や課題の把握や、肩・肘関節に特化せず股関節、膝関節、足関節などの下肢の傷害にも焦点を置いて学び、知識・技術の研鑽をすることが重要だと考えています。

 これらのことを把握し、今後行いたいと考えている傷害予防活動の一助とするために今回下記のセミナーに参加しました。

研修詳細:第15回 神楽坂スポーツ医学セミナー

日時:平成29年12月16日(土)13:20~17:50、17日(日)9:00~18:10

場所:横浜実践看護専門学校

参加者:吉澤 雄斗(PT)、

 研修を通して、私の肩関節の評価について考えを改めなければいけない点がありました。今まで、HFT(Horizontal Flexion Test)、CAT(Combined Abduction Test)の理学所見が陽性、2nd内旋の可動域制限があると、肩関節後方の筋の硬さ由来と決め付けていました。しかし今回の研修会に参加し、肩関節の求心位が保持できていないことでそれらの所見が陽性と誤って判断してしまうということが分かりました。 

 関節モビライゼーションや体幹トレーニングにより短時間でそれら所見が改善していました。臨床中でも原因を決め付けずに様々な可能性を考え治療しなければならないと勉強になりました。また、近年野球選手の下肢傷害が増加傾向にあり、野球は上肢の問題だけではなくなってきています。例えば、股関節の障害は野球のポジション別にみると投手で多く、軸足・非軸足変わりなく傷害が発生します。理由は、他のポジションよりも股関節の回旋可動域や負荷量が多いため起こりやすいということです。このことから、今後はスポーツ特有の動作、種目別、ポジション別など焦点を絞って、対応していかなければならないと勉強になりました。

 今回の研修を終え、野球肘検診の現状、下肢傷害が上肢に与える影響を学ぶことが出来ました。今回得た技術や知識をもとに、より適切な治療を提供できるよう今後も研鑽していきます。

関連記事

長野整形外科クリニック
ご予約はこちら
LINEで予約 LINE予約のご利用方法

026-256-8822

Web予約

〒 381-0043
長野県長野市吉田5丁目26−23

「北長野駅」より徒歩13分