腱板断裂に対する治療

2022/08/03
理学療法士
篠塚 真充

治療前の状態

年齢:70歳 
性別:女性
スポーツ:ソフトバレーボール
主訴:運動時に右肩が痛い
診断名:右肩腱板断裂

2018年 11月  バレーの練習後から徐々に痛みが出るようになった。
2019年 3月  症状不変のため当院受診しリハビリ開始。
6月  疼痛軽減するが、サーブ、スパイク時の疼痛残存。
今後もソフトバレー継続の希望があり、肩関節専門外来へ紹介となった
8月  平田医師初診。本人のニーズにより手術決定。
11月 鏡視下腱板修復術(ARCR)を施行した。

画像所見 

【レントゲン画像】

肩峰下に骨硬化像を認める。

【MRI画像】

棘上筋の断裂を認める
【腱板とは】
肩関節は、球関節という種類の関節に分類されます。したがって、髪を洗う、背中に手を回す、大きく手を振るなど、他の関節に比べると自由度の高い運動が可能です。しかし、「肩の脱臼」に代表されるように動きが大きい分、不安定な関節といえます。このような肩関節は、関節包や靭帯によって支持されているだけではなく、腱板という4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)が関節を支えることにより関節を安定化させ、また大きな動きを可能にしています。
【腱板断裂はどのように生じるのか】
腱板断裂は、40歳以上の男性、特に60歳代に好発します。これは、40歳以降から腱の変性が始まるためだと考えられています。また、腱板は解剖学的に上腕骨頭と肩峰の間に位置しています(図2)。そのため、手を挙げると腱板が挟み込まれる状態になり、日常生活で動作を繰り返すことで自然と断裂が起きていることが原因と考えられています。また、交通事故や転倒、スポーツでのコンタクトプレーのように「外傷」が原因となるものや、野球など肩を使う頻度が多いスポーツをされている方にも生じることがあります。
【どのような症状か】
腱板が断裂すると、肩が挙がらない、動かすと痛い、夜痛くて寝ることができないなどの症状があります。また、自力で肩を挙げることはできないが、反対の手で支えれば挙げることができるのも症状の特徴の一つです。 腱板断裂には断裂を認めても症状がないもの(無症候性)があり、腱板断裂がある人のうち約65%は無症候性だったという報告もあります。

治療


腱板断裂の治療法としては、保存療法(リハビリ、注射、内服薬)と手術療法があります。 多くの場合は最初に保存療法の適応です。 保存療法で改善が見られない場合は手術療法を検討します。 しかし、肩板断裂の程度や症状の程度、早期職場復帰などの希望がある場合は、最初から手術を検討することもあります。 手術にはリスクも伴いますので担当の医師と相談して手術適応を慎重に決めます。
 

【手術内容】



鏡視下腱板修復術(ARCR)とは、断裂した腱板を上腕骨頭にくっつける手術です。
内視鏡で関節の中を観察しながら、断裂した腱板の周りを綺麗にして糸付きビス(アンカー)を骨頭に挿入し、糸を腱板に縫い付けます。

【術後リハビリ】 

術後3週間 装具固定


術後3週〜

このころから反対側の手で支えて 内、外に動かすトレーニングを行いました。

術後5週〜

この頃から、肘を曲げた状態で支えなしで手を内外に自分で動かすトレーニングや


反対の手で支えて腕を上にあげるトレーニングを行いました。

術後7週〜
腱板の修復が進み、 すべての方向に対して可動域の制限なく動かせます。

術後9週~

この時期から修復した腱板に抵抗をかけることができるため、可動域の獲得後にセラバンドなどによる腱板エクササイズを行いました。

術後3ヶ月〜

体幹トレーニングや腕立て伏せなど体重を支えるトレーニングを行いました。
 
術後4ヶ月〜
徐々にバレーボール動作を意識したトレーニングを行いました。

術後8ヶ月〜
この時期からバレーボール開始となり、現在を症状なく行えています。
 
鏡視下腱板修復術(ARCR)により多くの患者様が生活・仕事・スポーツ復帰をしているため良好な治療法です。手術後のリハビリも重要なため、今後も早期復帰を目標に日々精進して参ります。
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この記事を書いたスタッフ
理学療法士
篠塚 真充
理学療法士の篠塚です。
得意分野である肩関節疾患(五十肩、肩関節手術後、投球障害)を多くリハビリ行っています。
一人でも多くの患者様を笑顔に出来るよう、精一杯頑張りたいと思います。
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