足首の腫れ、ぐらぐら感、捻挫癖「足関節捻挫」

2020/05/28
#足関節

足関節捻挫について

 足関節捻挫は足を内側に捻ってしまう『内返し捻挫』が多く、この場合は主に前距腓靭帯や前脛腓靭帯といった外側の靭帯が損傷(断裂)します。スポーツの中では切り替えし動作や、ジャンプの着地で失敗して足を捻ったり、日常生活では何かに躓いて転倒した際や、階段など段差を踏み外して足を捻ってしまったりと様々です。『内返し捻挫』と比べ頻度は少ないですが、足を外側に捻ってしまう『外返し捻挫』の多くは内側にある三角靭帯が損傷します。
 靭帯損傷の程度は軽度から重度まであり、重度の場合は骨折や骨挫傷を合併している可能性があります。
 

足関節の靭帯について


内返し捻挫』では外側の前距腓靱帯前脛腓靱帯踵腓靱帯を損傷することが多いです

『外返し捻挫』では内側の三角靱帯を損傷することが多いです。  

足関節捻挫の症状は?

・歩くと痛い、体重をかけると痛い
・足首が腫れている(腫れが酷い場合は靱帯損傷や骨傷が疑われます。)
・足首がぐらぐらする、緩い感じがする
・捻挫癖がある
*捻挫を繰り返している場合、靭帯が緩くなっており「足関節不安定症」になっている可能性があります。
 靭帯が緩くなっていることで足関節の中で僅かなズレが生じ、軟骨の損傷を生じることがあります。

画像検査について

単純レントゲン検査では足関節骨折の有無・アライメント評価・変形性変化の確認、超音波検査では靭帯と足関節不安定性を、MRI検査では靭帯・骨傷を評価します。
靭帯の損傷程度によりGradeⅠ(軽度)、Ⅱ(中程度)、Ⅲ(重度)に分類され、軽度の損傷でも捻挫を繰り返すことによって足関節不安定性になってしまうことがあります。
理学所見、画像所見で足関節不安定症を疑う場合は、レントゲン検査で新たにストレス撮影を行い、足関節がどの程度緩いかを評価します。
超音波検査
例)
ATFL(前距腓靱帯)損傷

前距腓靱帯が黒く腫れていて、靱帯の線維構造がはっきりしません。
 
足関節ストレス撮影
例)
内反ストレス(Talar tilt angle:距骨傾斜角)

正常では、足関節を内側に捻っても距骨傾斜角は僅かですが、不安定症の距骨傾斜角は大きくなります。
正常値:0~5°

前方引き出し(Anterior drawer)

前後方向の緩さを確認する撮影方法です。
正常と比べると不安定症では緩さ(黄色矢印幅)が大きいのがわかります。
正常値:0~3mm
 

足関節捻挫の治療

*現場での処置
捻挫をした現場ではまずRICE(ライス)を行ってください。
RICEとは、
(rest)    患部安静
(icing)     冷却
(compression)圧迫
(elevation)     挙上です。
この処置を行うことにより腫れ、痛みを軽減することができます。
保存療法
 患部固定や荷重制限を行います。靱帯損傷の程度で固定期間や、荷重制限の程度が異なります。痛みや腫れが治まってから、足の筋力トレーニング、足関節の柔軟性をあげる運動療法を行います。再発予防のためにバランス訓練やテーピングまたは装具装着下で徐々に運動負荷を上げて、スポーツ復帰を目指します。
 初回捻挫の場合は特に、固定や荷重制限が重要です。1-2週間経てば痛み自体は落ち着いて動けるようになりますが、靭帯が治っているわけではありません。そのまま放置していまうと靭帯が緩い不安定な状態になってしまいます。不安定な状態で放置すると日常生活でも僅かに足関節の中でズレが生じ、軟骨が損傷したり、骨と骨がぶつかり合い骨棘を形成したり、「変形性足関節症」の原因になります。
手術療法
保存療法に抵抗し、足関節の不安定性や痛みが残存する場合に手術療法を検討します。
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