単純性股関節炎とは?
小児の股関節痛の中でもっとも多い疾患は「単純性股関節炎」です。発生年齢はほとんどが3~10歳(平均6~7歳)で男の子に多く見られます。
原因として外傷・感染・アレルギー説など諸説がありますがはっきりとした原因は不明です。多くは単純レントゲン検査で骨に異常所見は見られず、超音波検査で股関節に関節液の貯留が見られます。通常1~2週間程度の安静で症状は軽快しますが、痛みが長引くようであればペルテス病・化膿性股関節炎との鑑別のため、さらに精密検査が必要です。
単純性股関節炎の症状は?
・股関節の痛み
・
ふとももや膝にかけての痛み(”股”関節炎ですが、ふともも・膝まで痛みを感じることがあります)
・痛い方の足を着けない、痛みが強くて歩けない
・微熱がある
・風邪を引いている
画像検査・診断について
単純レントゲン検査で股関節の骨に異常がないか、超音波検査では関節内に水腫があるかどうかの確認を行います。
ペルテス病・化膿性股関節炎鑑別のためにはMRI検査が有用です。
例)
超音波検査
超音波検査では股関節内に水腫が溜まっているかどうか、左右を比較し評価します。
単純性股関節炎では股関節内の水腫(水色)が健側より多くなっているのがわかります。
治療について
保存療法
基本的には安静第一です。股関節の安静は荷重制限(歩く量を減らすなど)です。安静にできない場合は松葉杖で免荷します。
その他は消炎鎮痛剤で患部の炎症を抑えます。
1-2週間で症状が改善しなければ、精密検査を行います。