臼蓋形成不全とは?
股関節は、骨盤側の臼蓋と大腿骨頭により形成されています。
臼蓋形成不全とは、臼蓋が小さいために溝が浅く、大腿骨頭のはまりが悪いことをいいます。はまりが悪いことによって、股関節に負担がかかり痛みが生じます。女性に多く、先天性股関節脱臼の方や、遺伝も関与しているといわれています。10~20歳代までは無症状のことが多く、30~40歳くらいから症状が現れることが多いです。進行すると関節軟骨の破壊が起こり、変形性股関節症へ移行していきます。変形性股関節症になる原因のほとんどは臼蓋形成不全です。(
変形性股関節症についてはこちらへ)
臼蓋形成不全の症状
・股関節、鼡径部の痛み
・股関節が開かない、動かしづらい
初期症状…立ち上がった時、歩き始めた時などに違和感や軽い痛みがある程度。
変形性股関節症へと進行すると…安静にしていても痛みが出たり、立っている事や歩く事とが辛くなり、日常生活に支障を来たすようになる。
画像検査ついて
単純レントゲン検査では股関節の形態評価、変性の有無(関節裂隙、骨棘や骨嚢胞など)を確認します。
MRI検査では軟骨や関節唇、骨髄内の状態を評価できます。
日常生活を送る限り、痛みが減ったとしても軟骨の摩耗や関節の変性変化は続いています。初診時だけではなく、経時的に検査を行い、変性変化を確認していくことも重要です。
臼蓋形成不全の治療について
保存治療
投薬や注射で患部の炎症を抑えます。注射は局所麻酔、またはステロイド剤を併用し、超音波機器を使用して行います。リハビリテーションでは周辺筋肉の筋緊張を和らげたり、運動療法で柔軟性を高め、筋力強化を行います。
痛みがあるのに「歩いたほうがいい」と運動をする人がいると思いますが、運動すれば必ず股関節に負荷がかかり、股関節の状態がさらに悪くなってしまいます。痛みがあるときは運動量を下げ、安静にしましょう。
手術療法
保存療法に抵抗し、痛みが長く続く場合は手術を検討します。(回転骨切り術など)
関連リンク