第26回日本腰痛学会発表報告 柔道整復師 永野みきみ
10月26日(金)~27日(土)にかけて静岡県浜松市で開催された第26回日本腰痛学会で「腰椎椎間板ヘルニアの術後経過に罹病期間が及ぼす影響」という演題名で発表を行いました。
当院では、腰椎椎間板ヘルニアに対して経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED)を行っています。
腰椎椎間板ヘルニアの治療法は保存療法と手術療法がありますが、多くは保存療法だけで改善します。
その中で手術にいたる大多数は保存療法の効果が得られずに治療期間が長期にわたる場合です。
今回私は、罹病期間(症状発症から手術までの期間)が腰椎椎間板ヘルニアの術後経過に影響を及ぼすのか調査しました。
罹病期間を6ヵ月未満の群と6ヵ月以上の群にわけて腰痛疾患の臨床スコアである「日本整形外科学会腰痛疾患問診表(JOABPEQ)」をれぞれ比較検討しました。
JOABPEQは痛み、主に前屈を伴う動作や歩行能力、日常生活や社会生活活動、心理状態などに関する5つの項目を評価します。
0~100点で値が大きいほど良好な状態であることを示します。
結果は、全項目で術前と比較し術後のスコアの改善を認めましたが、その中で罹病期間が6ヵ月以上の群の日常生活や社会生活についての項目は術後改善に時間を要する結果となりました。
罹病期間が長い為に疼痛が慢性化し、それにより行動範囲の狭小化、活動量の低下が起こり、筋力や筋量、体力が減少してしまうことが今回の結果の原因ではないかと考えました。
当グループでは、手術の有無に関わらずリハビリテーションに力を入れております。
今回の研究結果からも、手術により痛みは軽減しますが、筋力や体力は体を動かさなければ改善しないこと、その為に手術前後にしっかりリハビリテーションを行うことが重要です。
少しでも早く日常生活や社会生活を安心して行えるようにリハビリテーションの必要性を患者様にお伝えし、サポートしていけるように日々努めていきます。