シンスプリントとは?

【シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎とは?】
シンスプリントはスポーツ選手に好発し、「運動によって誘発される下腿内側部痛」と定義されており、
下腿(ふくらはぎ内側)の疼痛を主症状とされています。また近年ではMedial Tibial Stress Syndrome(MTSS)という用語で統一されています。
好発年齢は12歳から16歳に最も多く、16歳をピークとして高校生や大学生に多いです。
性差は男性に比べ女性の方がやや早期に発生する傾向があります。
 
【よくある症状】
ダッシュ・ジャンプの踏切りや着地時の痛み、症状が強い場合は日常生活での安静時痛や歩行、階段でも下腿内側の痛みが出ることもあります。
 
【具体的な疼痛部位】
疼痛部位:脛骨中下1/3、下腿内側
                          
                             
【シンスプリントの発生メカニズム】                        
1)下腿内側の筋群
ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋、             
またこれらを覆う筋膜の伸張、筋群の疲労による柔軟性低下 
2)足部の過回内                    
3)足部の疲労による衝撃緩衝能の低下          
        ↓                  
脛骨の骨膜炎や骨膜微細損傷を生じます          
 
【多く起きるスポーツ】
跳躍動作や走行動作が多いスポーツに発症しやすい
男子:サッカー、陸上、野球、バスケットボール
女子:バスケットボール、陸上、バレーボール
 
【重症度分類】
■一般型(復帰期間:平均2週間)
■重症型(復帰期間:平均2~3カ月)
※重症型は運動の休止(骨リモデリング期間として約4週間の安静)
【診断名に対する主なリハビリ内容】
急性期(約~2週間)
・運動の休止または練習量の制限
・アイシング(炎症軽減:約15〜20分間)
・患部外トレーニング(持久力・筋力維持)
・物理療法(超音波治療、電気治療)
亜急性期(約2週間~6週間)
・アイシング継続
・下腿内側筋群のストレッチング
・関節可動域拡大
・ジョギング開始(症状に応じて負荷量設定)
競技復帰期(約6週間~3ヵ月)
・筋力強化(足部アーチに関わる筋群)
・足部アライメント修正
・競技特性別に動作指導
・テーピング
・足底板(インソール)
・アイシング(運動後)

【予防】(セルフケア)
運動後のアイシング、柔軟性低下筋に対してマッサージ・ストレッチング、足趾筋力強化


 


【経過例紹介】
16歳(高校生)部活は陸上部に所属しており競技種目は400m、練習は週5日行っている。
<主訴>右下腿内側の痛み
<疼痛部位>脛骨内側面
<経過>
2週間ほど前から、練習で走った後に痛みだした。
自身でストレッチをしながら経過を見ていたが良くならず当院受診。
クリニックに受診した時は、安静時痛なし、歩行時痛なし、ジャンプ踏切時のみ痛みがあった。
医師よりシンスプリントと診断され、リハビリ開始。
シンスプリントの八木重症度分類は一般型であり、Walsh分類ではStage2であったため、練習の制限は必ずしも必要ないと判断。
初診から2週間下記のリハビリ、セルフケアを行いながら練習を継続した。
<リハビリ内容>
練習後のアイシング、柔軟性低下筋に対してのマッサージおよび指導、下肢柔軟性の向上・筋力強化、足部形態の異常から足底板(インソール)の処方。
<リハビリ後の経過>
競技特性に応じたトレーニングにより初診から3週間経過時には、ダッシュやジャンプ踏切時の痛みもなく改善され、
大会に疼痛なくフルパフォーマンスで出場できた。
 
上記の様に、シンスプリントは重症度と病期を正確に把握し、治療していくことが大切です。
 
 
※あくまでも目安であり、個人差があることをご了承ください。    
スポーツや症状・病期によっても異なります。 
自己判断せず医療機関で必ず医師の診断を受けてください。
医師と相談しながら復帰を目指しましょう。




 
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