変形性膝関節症の治し方:状態に応じた治療方法
膝が痛い…でも、
「どこまで悪くなってるんだろう?」
「自分に合った治療って何だろう?」
そんな方のために、膝の状態に応じた「3つのステージ」と、それぞれの治療についてご紹介します。
初期の変形性膝関節症|ちょっとした違和感・痛みの出始め
初期の症状
- 歩き出すときに膝がこわばる
- 長く歩いた後だけ痛みが出る
- 正座やしゃがむ動作がなんとなくつらい
初期の治療の考え方
「今のうちに進行を止める」ことが一番大切です。
この段階では、軟骨のすり減りはまだ軽く、「歩き出しに膝が痛む」「長時間歩いた後に少し痛む」といった症状が中心です。痛みが軽いと「年のせいかな」と放置しがちですが、この時期にきちんと対処することで、進行を食い止める可能性が高くなります。
初期の治療方法
治療法 | 内容と目的 |
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運動療法(リハビリ) | 太ももの筋肉を鍛えて膝の安定性を上げ、痛みを軽減します |
体重管理 | 体重を減らすと膝の負担が減少 |
ヒアルロン酸注射 | 膝関節内の注射で、膝の動きを滑らかにして痛みを軽く |
痛み止め | アセトアミノフェン(カロナール)や湿布などで、無理なく日常生活を継続 |
サポーター・インソール | 膝を安定させ、歩行時の痛みを軽減 |
中期の変形性膝関節症|痛みが強くなり、生活に支障が出てくる
中期の症状の例
- 歩行中にも膝が痛む
- 膝が腫れる・水がたまる
- 階段の上り下りがつらくなる
中期の治療の考え方
「痛みをコントロールし、できるだけ関節を温存する」ことが目標です。
軟骨のすり減りが進み、膝に腫れが出たり、階段の上り下りや長時間の歩行がつらくなってくる時期です。この段階では、「日常生活がなんとかできる」ことと、「手術を避けられるかどうか」のバランスを見ながら治療方針を考えます。
中期の治療内容
治療法 | 内容と目的 |
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運動療法の継続 | 痛みに配慮しながらも、関節の動きを保ちます |
鎮痛薬の強化 | NSAIDsを併用して痛みを抑える |
関節内注射 | ヒアルロン酸に加え、症状によりステロイド注射を併用 |
関節鏡手術 | 関節の掃除で引っかかりや腫れを改善する場合も |
骨切り術(HTO) | O脚を矯正して膝の負担を減らし、関節を温存する選択肢 |
末期の変形性膝関節症|日常生活に大きな影響が出る
末期の症状
- じっとしていても膝が痛む
- 歩くたびにズキズキ痛む
- 足がまっすぐ伸びない、ひどいO脚になってきた
末期の治療の考え方
「痛みを取り除き、歩ける生活を取り戻す」ことが第一です。
この段階になると、軟骨はほとんどなくなり、膝がまっすぐに伸びなかったり、安静にしていてもズキズキ痛むようになります。変形も進んで、外見でもO脚が目立つようになります。
末期の治療内容
治療法 | 内容と目的 |
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鎮痛薬の併用 | 強めの痛み止めで日常生活をサポート |
歩行補助具 | 杖や歩行器で移動を安全に |
人工関節置換術(TKA) | 変形した関節を人工物に置き換えて痛みを大きく改善 |
最近注目されている治療法
治療法 | 特徴 |
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PRP療法 | 自分の血液から“修復成分”を注射。痛みを軽減し、関節の回復を助ける |
幹細胞治療 | 脂肪などから採った幹細胞で軟骨の修復を目指す再生医療 |
ロボット支援手術 | 人工関節の精度をさらに高める最新技術 |
「自分はどの段階だろう?」と気になった方は、まずはお気軽にご相談ください。 まずは画像検査と診断からあなたに合った治療法をご提案します。