鏡視下半月板縫合術、部分切除術

半月板損傷

半月板とは膝の大腿骨と脛骨の間にある馬蹄形の軟骨板で内側・外側にそれぞれあり、衝撃を緩和するクッションのような役割と膝の安定性を保つ役割をはたしています。これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしや歩行の際に痛みやひっかかりを感じるようになります。ひどい場合には膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなる“ロッキング”という状態になり屈伸ができなくなるほど痛くなります。リハビリテーションや抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合もありますが、改善しない場合には関節鏡下で手術を行います。

正常な膝関節を上から見た図です。

左側にあるO型の半月板を外側半月板とよび、右側にある大きなC型の半月板を内側半月板と呼びます。

半月板は大腿骨と脛骨の間に存在し、ショックの吸収から始まり様々な働きをしている大切な組織です。
関節鏡で見た実際の半月板です。線維軟骨と呼ばれる軟部組織からなり、正常なものは見た目も滑らかで、プローブという棒で引っ掛けて引き出そうとしてもしっかりと固定されています。
正常な膝と半月板が損傷している膝の関節鏡からみた映像です。右の写真では軟骨が剥がれボロボロになっています。このように半月板が損傷した場合、膝関節に関わる骨の軟骨を破壊してしまいます。つまり半月板損傷を放置しておくと、変性性膝関節症が進行しやすくなってしまいます。

こうした半月板損傷に対しては以下の処置を行います。

半月板の治療〜手術の方法〜

手術の方法は半月板の損傷の度合い、損傷の仕方により変わりますが主な手術法は縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)と切除術(損傷した部分を切り取る)の2種類あり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。スポーツの種類(野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、バトミントン、ラグビー、アメフト、レスリング、セパタクロー、スキー、体操など))や大会時期等によっても治療方法が異なる場合があります。

当院では静脈麻酔と吸入麻酔を用いた全身麻酔で手術を行います。

傷口も手術方法(縫合術か切除術か)によりその数と場所が異なります。

半月板縫合術★

当院クリニックでは基本的に、スポーツや安定した生活動作に必要な半月板は出来る限り縫合し温存する方針をとっています。
半月板の損傷の度合い・状況を観察し、損傷が強く回復が難しい部分を処理した後で血液の流れや状態の良いところを最大限に生かした縫合を行います。

半月板の損傷形態が一部の限られたものの場合は、縫合する事が出来ます。
イラストのように半月板が真ん中で裂けるように損傷している場合は、縫合術の良い適応です。また若い方の場合は出来るだけ縫合する事を試みます。

半月板に専用の器具を用いて糸を何本か通し、膝関節の外で結び付け縫合します。この場合は、膝の外側に約3cm位の皮切を作成します。
この場合は糸を関節の外に通して縫合していますが、場所によっては関節の中の操作のみで傷を作らずに縫合する方法もあります。

 

★半月板部分切除術★

半月板そのものは血行がそれほど良いものではありませんがその中でも特に血行が悪い部分で断裂している、断裂している部分の組織がもろく縫合が困難、縫合しても血行不良により治癒が望めない時などは手術法として「半月板切除術」が選択されます

大きく損傷している場合は、切れている半月板をはさみでカットし、ピンセットのようなものでつまんで切除します。
半月板の辺縁がバサバサになったように損傷している場合は、小さなハサミのようなもので少しずつ切除して辺縁を整えます。
実際に半月板を切除した後の関節鏡で覗いた写真です。こうする事で、痛んだ半月板が膝の軟骨とすれる事がなくなり、軟骨の損傷の進行を抑えることが出来ます。
しかし本来、半月板は存在していなくてはならないものです。切除するということは、半月板本来の機能を低下させることは否めません。
切除する場合も、必要最低限の切除にとどめ、出来るだけ半月板を残すように処置を行います。

全ての処置が終わった後、関節内を良く洗い手術を終了します。
手術をした方の足に血栓予防の靴下を履かせていただき、手術の内容によって患肢固定の為の装具を装着する場合があります。
麻酔の覚め具合や足の動きを確認したらベッドまたはストレッチャーで病棟へ移動します。
術後の痛みに対しては点滴から痛み止めの薬を投与します。痛みが強くなる前に病棟看護師にお声を掛けて下さい。

費用について➔入院・手術に関する費用

都立大整形外科クリニック
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