足関節の軟骨損傷の治療
2020/04/16
足の軟骨損傷の症状
足軟骨損傷(OCL osteochondral lesion)
足関節の軟骨損傷は外傷性と非外傷性に分けられます。受傷機転は足関節内反捻挫後に発生しやすいです。
外傷性
微小外傷や軟骨骨折などにより生じます。
スポーツ活動、特にサッカー、バスケットボールなどでの発症が多いと報告されています。
微小外傷や軟骨骨折などにより生じます。
スポーツ活動、特にサッカー、バスケットボールなどでの発症が多いと報告されています。
非外傷性
局所的な慢性微細損傷、変性関節疾患、関節アライメント不良、遺伝などが原因とされています。
局所的な慢性微細損傷、変性関節疾患、関節アライメント不良、遺伝などが原因とされています。
症状は様々あり96.8%に足関節痛 81.2%に可動域制限 71.8%に腫脹 75.8%跛行が生じます。(Perumal V 2007)
足の軟骨損傷の診断
捻挫後4-6週間疼痛が残存する場合などは足軟骨損傷(OCL osteochondral lesion)を疑います。画像診断
レントゲン:骨片や遊離体の有無を確認します。レントゲンでは軟骨が写らないため精査が必要な場合はMRIやCTを撮影します。
MRI:損傷サイズ、軟部組織の状態などが詳細に評価可能で画像診断のゴールドスタンダードとなっています。
レントゲン画像
レントゲンでは骨片や遊離体、変形は認めません。
X線 Berndt Harty分類
Ⅰ軟骨下骨圧挫
Ⅱ部分的剥離した骨軟骨片
Ⅲ完全剥離した骨軟骨片
Ⅳ遊離体
レントゲンでは骨片や遊離体、変形は認めません。
X線 Berndt Harty分類
Ⅰ軟骨下骨圧挫
Ⅱ部分的剥離した骨軟骨片
Ⅲ完全剥離した骨軟骨片
Ⅳ遊離体
MRI画像
MRIでは軟骨の輝度変化が認められます。
MRI Heppleの分類
1関節軟骨損傷のみ
2骨折を伴う軟骨損傷 a骨折と浮腫を伴う b骨折あり浮腫なし
3偏位のない遊離体
4遊離体の偏位
5軟骨下嚢胞形成
MRIでは軟骨の輝度変化が認められます。
MRI Heppleの分類
1関節軟骨損傷のみ
2骨折を伴う軟骨損傷 a骨折と浮腫を伴う b骨折あり浮腫なし
3偏位のない遊離体
4遊離体の偏位
5軟骨下嚢胞形成
足の軟骨損傷の治療
関節軟骨は自己修復能に乏しく、損傷を放置すると高率に変形性関節症へ至ることが知られています。治療は保存療法と手術療法に分けられます。
保存療法
第一選択となります。
固定や装具の着用、荷重制限、理学療法など行います。
再度レントゲンやMRIなどを撮影し再骨化を認め、臨床症状(疼痛や腫脹)が軽減していれば保存療法を継続して行います。
足部のアライメント不良が認められる場合はインソールなどの装具療法も行います。
運動療法例
足関節周囲筋力トレーニング
筋機能がしっかりしていないと、骨や靭帯への負荷が高くなります。
腓骨筋 後脛骨筋
筋機能がしっかりしていないと、骨や靭帯への負荷が高くなります。
腓骨筋 後脛骨筋
内在筋トレーニング
足趾の機能低下により足のアライメント不良が生じることもあります。
足の甲が高くなるように動かします。足底に力が入ります。
足趾の機能低下により足のアライメント不良が生じることもあります。
足の甲が高くなるように動かします。足底に力が入ります。
手術療法
保存療法で再骨化を認めず症状残存する場合は手術療法になります。
また、発見初期でも偏位した遊離体を認めた場合は再骨化の期待が低いため手術適応となります。
術後成績は
16歳未満で excellent・good 84% fair 8% poor 8%
16歳以上で excellent・good 54% fair 39% poor 7%と報告されています。
保存療法で再骨化を認めず症状残存する場合は手術療法になります。
また、発見初期でも偏位した遊離体を認めた場合は再骨化の期待が低いため手術適応となります。
術後成績は
16歳未満で excellent・good 84% fair 8% poor 8%
16歳以上で excellent・good 54% fair 39% poor 7%と報告されています。
※excellent:主訴なし
good:明瞭な改善
fair:改善あるもスポーツ中・後に時折主訴あり
poor :改善なし スポーツ不可 (Brus J 1992)
※手術・MRIはアレックス尾山台整形外科クリニックで行います。
足関節専門医の森医師はアレックス尾山台整形外科クリニックで診察を行っております。