非観血的肩関節受動術後3か月で肩の動きが大きく改善した症例
非観血的肩関節受動術後3か月で肩の動きが大きく改善した症例
~症例紹介~
【年齢】40歳代【性別】男性
【症状】肩を動かした際の痛み・腕が上がらない
~非観血的肩関節受動術に至るまでの経緯~
202×年6月 転倒などの外傷なく急に左肩に痛みを自覚しました。以前に右肩も同じ症状が出ており、鍼治療を行い症状が改善していたため今回も鍼・整体で2-3か月治療を行いましたが、症状が変わりませんでした。202×年10月に当院を受診し左肩の関節包(関節を包む袋)の硬さがあり、適応と判断したため初診から1週間後に非観血的肩関節受動術が行われ、術後翌日からリハビリを再開しました。
~非観血的肩関節受動術実施前と術後3か月の肩の動き~
・屈曲(腕を上げる動き)
屈曲 実施前:85° 術後3か月:160°
・結帯(背中を洗うなどで使用する動き)
結帯 実施前:臀部レベル 術後3か月:L1~Th12(1番目の腰椎から12番目の胸椎)
※画像の赤線は実施前の可動域
リハビリ内容(エクササイズ)
1:ボールサンディングエクササイズ肘と脇腹の間にボールを挟み3割くらいの力で押し込みます。
2:外旋・内旋等尺性運動
外旋(タオルでも可) 内旋
健側の手で患側の手首に抵抗を加えて3割くらいの力で5秒間キープします。
3:テーブルスライド
テーブル・台の上で腕をなるべく遠くに伸ばします。
4:窓ふきエクササイズ
痛みのない範囲で腕を上げて窓を拭くような感覚で壁の上を上下左右に動かします。
最後に
今回は術後3か月の患者様の経過を紹介しました。術後は関節包由来の硬さは改善するものの筋肉の緊張による動かしづらさは残ってしまいます。そのため術後はまず筋肉の緊張を取るリハビリがとても重要になります。今回紹介した患者様も術後は筋肉の緊張を軽減させる目的でリハビリ・セルフエクササイズを行っていただきました。その結果、肩の動きが3か月間で大きく変化し、普段の生活でも動かしやすさを感じていただくことができました。今後もより肩の動きが良くなるようにリハビリスタッフとして精進して参ります。