膝の内側靭帯損傷の原因と治療法「膝関節内側側副靭帯(MCL)損傷」

2019/06/15
#膝関節

内側側副靭帯(MCL)損傷の原因とは?

 内側側副靭帯(Medial Collateral Ligament:MCL)とは膝関節に存在する主要な靱帯の一つです。この内側側副靭帯は膝関節の内側の安定性を保つ働きをしています。
 受傷機転は、膝関節に内側から外方向への衝撃(画像①)や膝より下腿に捻りが加わること(画像②)で損傷します。膝の靭帯損傷の中で最も頻度が高いのが内側側副靭帯です。単独で損傷することは少なく、十字靭帯損傷や半月板損傷と合併して起こることが多いです。
 


MCL損傷の症状は?

・膝の内側の痛み、腫れ
・膝の内側を圧迫すると痛い
・膝を曲げ伸ばしした時に痛い
・膝を外側に反られると、グラグラする(不安定感)

画像・診断について

徒手検査では圧痛、ストレステスト、単純レントゲン検査では変性、骨傷の確認します。
レントゲンでは靱帯は写らないため、エコー検査やMRI検査を行います。
エコー検査ではMCL損傷の有無、不安定性を評価します。
MRI検査ではMCL断裂の有無、その他半月板・十字靭帯の損傷がないか確認します。

重症度は下記のように分類されます。
Ⅰ度 痛みのみで膝の左右への不安定がない。 
Ⅱ度 痛みがあり、30度膝屈曲位で主に左右方向に不安定である。
Ⅲ度 痛みが強く、30度屈曲位と完全伸展位で不安定である。

例)MRI画像


MCL断裂( 黄色 矢印)
MCL線維の蛇行( 矢印)、周囲に出血

内側側副靭帯(MCL)損傷の治療について

MCL損傷の大半が保存療法で治癒することが多いとされています。重症度により治療は異なります。
長野整形外科クリニックでは、まず超音波検査やMRI検査でMCL損傷の程度を確認し、治療を行います。

Ⅰ度損傷
歩行は可能です。関節が固くならないように、可動域訓練を行います。また大腿の筋力低下を予防するため筋力訓練を行います。その後、可動域と筋力が健側と同等レベルまで改善したら、スポーツ復帰となります。 

Ⅱ度損傷
1~2週間程度ギプスシーネやニーブレースで固定後、靭帯矯正サポーターを装着し可動域、歩行訓練を行っていきます。膝装具は一般的には6週間以上装着します。膝の可動域と不安定性が健側と同等レベルまで改善したらスポーツ復帰です。

Ⅲ度損傷
原則的には保存的治療を行います。ただし、Ⅲ度損傷は十字靭帯損傷や半月板損傷を合併している事が多く、特に前十字靭帯の手術が必要になる場合が多いので注意が必要です。 Ⅰ度、Ⅱ度損傷の治療同様、ギプスシーネやニーブレースで固定後、サポーターに切り替えリハビリを行います。
 
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