足底腱膜炎の治し方

足底腱膜炎とは?

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは、足の裏にある、踵(かかと)と足の指の付け根までを伸びている組織(足底腱膜)が炎症をおこし、痛みなどの症状が出る病気です。足底腱膜炎もしくは足底筋膜炎と呼ばれています。
足底腱膜は、アーチ状になっている足の『土踏まず』を支える重要な役割を担っており、足への衝撃を和らげるクッションの働きも担っています。

このクッション機能が低下し、足底腱膜に過剰なストレスが加わることで、足底腱膜と骨の付着部で炎症が起きます。足底腱膜が「固くなる」ことでうまく伸び縮みできずに足底腱膜がくっついている踵や親指の下あたりの筋肉などを無理に引っ張ることで筋肉に微細断裂(小さな傷)や組織の変性が生じるため、足底腱膜炎は腱付着部障害(enthesopathyエンテソパチー)と言われています。

この腱付着部障害(enthesopathyエンテソパチー)はオーバーユース、つまり何度も引っ張られ、その力学的ストレスにより腱付着部自体に微小外傷が生じ、その発生と修復のバランスが崩れることで症状が引き起こすとされています。
そのためオーバユースになった原因をしっかり改善し、再発予防を行うことが大切です。

マラソンやハイキングなどのスポーツや長時間の立ち仕事などで、足の裏に負担をかけがちな人に多くみられます。
最近のジョギングやマラソンブームで患者は増えているとみられますが、スポーツをしない一般の人でも中高年には比較的多く生じます。

 

足底腱膜炎の原因



革靴を新しく買い換えた方に症状が出やすい人も

足底腱膜炎は、足底腱膜と骨の付着部で炎症が起き、足底腱膜が「固くなる」ことでうまく伸び縮みできずに足底腱膜がくっついている踵や親指の下あたりの筋肉などを無理に引っ張ることで筋肉に微細断裂がおき、周辺に痛みがでる病気です
 
1,強い衝撃を足に、繰り返し与えているスポーツなどをしている  
繰り返し衝撃を足裏に与えることで、足底筋膜や筋肉は固くなります  
足裏の筋肉に、毎日適切なケアを行わず繰り返し衝撃を与えると、筋肉は固くなり足底腱膜炎になることがあります
また、アスファルトなど地面が硬い道は、地面からの衝撃もより強く返ってくるため負担が強くなります。
 
2,疲労の蓄積や、加齢   
長時間立ち仕事などによる疲労や加齢によっても足底腱膜が固まり、クッション機能が低下することで、足底腱膜炎になる場合があります。
「歩き続けている」「太っている」からなりやすいとは限りません。
 
3,足のアーチの高さが崩れている人
足のアーチが高すぎる人、低い人(偏平足)は不均等なストレスが足の裏にかかりやすい為、足底腱膜に負担がかかりやすくなります。
足裏に胼胝(タコ)が出来ている人はアーチが崩れている人が多い為、注意が必要です。
 
4,ふくらはぎやアキレス腱が硬い人。
ふくらはぎやアキレス腱が硬いと引き上げる力が弱くなる為、足の踏み返しを足底腱膜で負担しやすくなります。

5,新しく靴に替えた
かかとが固定されない靴、靴底が薄すぎる靴、クッション性がない靴などは、足底腱膜に負担がかかりやすいです。
特に靴のサイズが合ってない場合、歩いている時に靴の中で足が前後に動いてしまい、これも足底腱膜に負担がかかりやすい原因になります。
靴の中で足が動かないことにで足底筋膜に負荷をかけずに歩くことができます。


現代は、昔に比べ、足のアーチを支える力が弱くなった人が増えています。靴の発達や運動不足など様々な原因が考えられます。
足のアーチが、体重や衝撃を支える力が弱くなると、足底筋膜に負担がかかりますので、硬化しやすくなり足底腱膜炎につながりやすいです。


 

足底腱膜炎の症状

荷重時の足底部痛は、
①踵〈かかと〉に近い (腱膜起始部に最も多く発生)
②中央部(土踏まず)
③遠位部の3ヵ所が好発部位です。

一般的には「朝起きての最初の一歩が痛い」「急に歩きだすと痛い」などに、痛みに特徴があります。
それ以外にも

ex)
・歩くと、踵やその周辺が痛い 
・足の裏を押すと痛い 
・足の裏が、つっぱている感じがある
・夕方になると痛みが強くなる
・運動後、痛みが出る。運動翌日が痛い。
・朝痛いが、動いていると徐々に軽減してくる。
・階段・つま先立ちなどすると痛い。

症状は個人差があり、急に強い痛みが出たり、だんだんと痛みが強くなる人もあります。
歩行は日常生活において必ず行う動作です。
一度発症すると、日常生活において歩行を辞めることは出来ないため、患部への負担軽減させることが難しくなかなか治りにくい場合もあります。
症状が進行し、なかなか治らない場合は半年〜1年以上症状が続いている人もおり、
治療してもなかなか治らない「難治性足底腱膜炎」と診断されることもあります。

 

足底腱膜炎の診断・検査方法

 
レントゲン検査
レントゲンでは、足底腱膜の炎症のため、レントゲン検査を行っても通常、骨には異常が見られることはありません。
しかし、繰り返し足底腱膜が付着部を引っ張る事で、踵骨棘という棘が出来る人がいます。
疼痛は無くても踵骨棘がある方はたくさんいます。
そのため、踵骨棘自体は痛くなくても、踵骨棘があることは踵骨部に負担がかかっている可能性があると考えられます。


また、変形など他の疾患との鑑別や稀な腫瘍などを区別するためにも必須です。 
 
疼痛誘発検査
足底腱膜の圧痛、腫れや痛みの場所などを確認します。
 
足底圧検査
足裏の圧力のかかり具合を検査します。
荷重位置の検査を行い、踵に負担がかかりやすい立ち方・歩き方などをしているなど判断します。



 
US(超音波検査)
超音波で、足底腱膜付着部周囲などの腫れや肥厚・炎症の有無などを確認します。


検査査よる痛みが無く、被ばく等の身体に与える影響も無いため、小さなお子様や妊婦の方、ご高齢の方まで何度でも安心して検査をすることが出来ます。 

 
MRI検査
より精密に炎症の程度や範囲、腱の損傷程度などを確認するため行います。
踵周辺を含めた全体像の把握や炎症の程度や範囲、腱の異常まで精査することが可能です。
踵骨棘が痛みの原因になっている場合も、MRIで判断が出来ます。


MRIはレントゲン・CTとは違い、放射線などを使用しないため、被ばくの心配はありません。

 

足底腱膜炎の治療方法

 

保存療法

足底腱膜炎の治療は、以下のような薬や理学療法で痛みを抑える治療が基本。安静を心がけ、症状が落ち着くまでは、長時間立っていることやその他の発症のきっかけとなったスポーツは一時お休みすることが望ましいです。
 
リハビリテーション
ストレッチや筋トレ、負担がかかった使い方などを理学療法士と一緒に行うことは、ステロイド注射のような即効性はありませんが、中・長期的に見るとリハビリによる治療が最も効果が高いです。痛みが起きたきっかけが無い方は、足底腱膜への負担が原因の一つなので、負担がかからない様にリハビリを行います。
特に、下肢後面の硬さ(柔軟性低下)や、足指の機能不全、偏平足などの足部の形態異常などを評価し、その人に合ったアプローチを行います。
必要に応じて、テーピングなどを行い患部の負担軽減を目指します。



また、電気療法や超音波治療などの物理療法も組み合わせながら実施します。


足部だけの問題でなく、全身的な問題(姿勢不良、股関節の硬さ(柔軟性低下)、他部位を庇ってい歩行指定る場合)
全身的なコンディショニングを、自費の施設(都立大パーソナルコンディショニングセンター)で行うこともあります。
詳細→  パーソナルコンディショニングセンター

 
薬物療法
炎症がある場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs=ロキソニンなど)や湿布をすることで炎症を抑え症状が改善します。ただし、飲み薬は長期間使用すると胃があれるなどの副作用が出る場合があるので、注意が必要です。


 

装具療法(インソール) 
お子様から大人の方まで、その方に合わせた完全オーダーメイド(一人一人足形を取り、足の特徴や癖に合わせる)を作成します。
インソール使用よって、足底部のアーチ形態を機能的、解剖的に補正して足部のアライメントを改善します。
また、疼痛が強い場合は足底部の衝撃を減らすような、工夫も行います。



作成しただけでなく、インソールの状態を定期的にチェックし、問題がないか?確認も行います。
 
注射
ステロイド注射
歩行出来ない、仕事に支障が出るほどの強い痛みがある場合、上記治療を行っても症状変化に乏しい場合、ステロイド注射を行うことがあります。
痛みのある肘の部分に直接治療薬を注射すると、そのまま1~2ヵ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再燃する場合も少なくありません。
注射で一時的に症状を改善させるだけで、その間に根本原因をリハビリで並行して改善させ、トータル的な症状改善を目指します。
また、注射を繰り返し行うことは、組織を脆くさせ、長期的には症状を悪化させる場合もあります。

 
神経リリース
足底腱膜炎による症状と併発しているもしくは足底の痛みが神経から生じている場合があります。(神経の滑走障害)
足部~足底を走行する神経に対して、生理食塩水を使用し神経周囲の注入することで、神経とその周囲の組織とを剥離するように実施します。
周囲の組織とを剥離することで、神経の滑走を促します。再び滑走障害が起きないように合わせてリハビリも行います。


いずれも当院で行う注射は、出来る限り少量で、ピンポイントで効果が出る様に、超音波ガイド下で1mm単位で調整し注射を行います。

 

特殊治療について

上記の様な、エビデンスに基づい従来の一般的な治療を受けても症状が改善しない患者さんも、ごく一部ですが存在します。
これまでは一部の人々のためのものであった最新の先端医療である「体外衝撃波治療」や「PRP治療の再生医療」は、メジャーリーグや日本トップレベルのスポーツ界においては今や通常の選択肢の一つとなっています。
これまでは一部の人々のためのものであった最新の先端医療を、私たちは一般の患者さんたちにも広く提供していきたいと考えています。
保険適応外の治療も存在します。
体外衝撃波治療
皮膚の上(体外)から非連続性の圧力波である衝撃波を照射する治療方法です。
スポーツ選手を中心に整形外科領域の腱付着部障害や骨性疾患において使用されている機器です。
手術と違い、傷跡が残らない、切らない治療のため副作用がほとんどありません。実施中は衝撃を加えるため、痛みも伴います。許容できる様に強度は調整します。



【効果】
「自由神経終末の変性」
慢性的な疼痛は、痛みを感じる自由神経終末という神経の増加によって痛みに対して敏感になってます。
その神経を体外衝撃波によって変性させ、即時的に痛みを軽減させます。
「組織再生因子の増加」
体外衝撃波による刺激は、血管再生を促進させたり、組織再生因子を増加し、損傷した組織の治癒能力を促します。


足底腱膜炎に対しては、
6カ月以上の保存療法を行なっても改善が得られない難治性の足底腱膜炎』に有効な治療法として、体外衝撃波治療は、2012年11月より保険適用になりました。
詳細→ 難治性足底腱膜炎について

 
PRP治療
PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)のことで、自分の血液を採取し、専用の機械を使用して濃縮した血小板のみを抽出します。
血小板には組織修復を促進する能力が含まれており、患部に注入することで治癒を促す治療法です。自身の血を使用するため安全性もあり、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づいて実施します。


整形外科領域、特にスポーツ障害で起きる、腱付着部などは血流が少ないため組織の修復能力に乏しいです。
PRP治療によって損傷した組織は、生体内でバランスを保ったまま修復過程を促進させることが期待されています。

 
手術療法
手術は誰しもが行いたくないものですが、
上記のようにさまざまな治療を行っても痛みが取りきれない場合、患者の希望に応じて手術療法を検討する場合があります。



手術方法は、
関節鏡視下で変性した組織を郭清にしたり、付着部の部分切除や骨棘切除など病態に応じて手術内容を検討します。
手術内容に応じて、術後3〜6ヶ月が目安です。

 

足底腱膜炎の予防

足部内在筋のストレッチ・ケア方法

足部内在筋のストレッチ・ケア方法を紹介します。
 
足底ストレッチ
*左足底の場合
 
    
   ①右手で足底腱膜を押す
      左手で足趾を持つ
     
    ②右手で足底腱膜を押してい    
      るのは保持したまま
      左手で足趾を反らす。
①→②の流れでストレッチを行ってください。
セット回数:20秒×3回

*ストレッチを行うタイミングは朝起きたときや、たくさん歩いた後、お風呂上がりなどオススメです。
*勢いをつけたりしてストレッチしないようにしてください。
 
足底筋コロコロ
   硬まった足底筋をほぐす方法です。
テニスボールやゴルフボールを用意してください。

    
①テニスボールやゴルフボールを足の下においてください



②置いたボールを転がし足底筋をほぐしてください。
セット回数
3分×3回
*普段歩いている時などに痛みがある部位は行わないようにしてください。
踵骨などには行わないようにしてください。
痛みが増悪する可能性があります。

足部内在筋群のエクササイズ方法

足部内在筋のエクササイズ方法を紹介します。
Short Foot Exercise 


①椅子などに座って静止する


②足趾に力を入れる
足の指の腹で摘むように意識する。
足底に力が入っているか意識してみる。


注意点:
右足のように足趾が噛まないようにする。
①→②の流れで行なってください。
セット回数
10秒間キープを10回反復
*一番右の写真のように足趾が噛まないようにしてください。
右の写真のように行ってしまうと本来のエクササイズで鍛えられる部位が異なります。
 
ミニマムカーフレイズ


①静止立位


②重心を少しずつ前へ移動
踵が少し上がるところでキープ
*この時にギリギリまで重心を前へ移動すると足趾で支持している感じがわかりやすい
 


注意点:
Short Foot Exのように足が噛まないようにする。
①→②の流れで行なってください。
セット回数
10秒間キープを10回反復

足底腱膜炎とは?

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは、足の裏にある、踵(かかと)と足の指の付け根までを伸びている組織(足底腱膜)が炎症をおこし、痛みなどの症状が出る病気です。足底腱膜炎もしくは足底筋膜炎と呼ばれています。
足底腱膜は、アーチ状になっている足の『土踏まず』を支える重要な役割を担っており、足への衝撃を和らげるクッションの働きも担っています。

このクッション機能が低下し、足底腱膜に過剰なストレスが加わることで、足底腱膜と骨の付着部で炎症が起きます。足底腱膜が「固くなる」ことでうまく伸び縮みできずに足底腱膜がくっついている踵や親指の下あたりの筋肉などを無理に引っ張ることは、微細断裂(小さな傷)や組織の変性が生じます。そのため足底腱膜炎は腱付着部障害(enthesopathyエンテソパチー)と言われています。

この腱付着部障害(enthesopathyエンテソパチー)はオーバーユース、つまり何度も引っ張られ、その力学的ストレスにより腱付着部自体に微小外傷が生じ、その発生と修復のバランスが崩れることで症状が引き起こすとされています。
そのためオーバユースになった原因をしっかり改善し、再発予防を行うことが大切です。

マラソンやハイキングなどのスポーツや長時間の立ち仕事などで、足の裏に負担をかけがちな人に多くみられます。最近のジョギングやマラソンブームで患者は増えているとみられますが、スポーツをしない一般の人でも中高年には比較的多く生じます。

 

足底腱膜炎の原因

強い衝撃を繰り返し与えるスポーツ
繰り返し衝撃を足裏に与えることで、足底筋膜や筋肉は固くなります  
足裏の筋肉に、毎日適切なケアを行わず繰り返し衝撃を与えると、筋肉は固くなり足底腱膜炎になることがあります
また、アスファルトなど地面が硬い道は、地面からの衝撃もより強く返ってくるため負担が強くなります。
 
疲労の蓄積や加齢   
長時間立ち仕事などによる疲労や加齢によっても足底腱膜が固まり、クッション機能が低下することで、足底腱膜炎になる場合があります。
「歩き続けている」「太っている」からなりやすいとは限りません。
 
足のアーチの高さが崩れている人
足のアーチが高すぎる人、低い人(偏平足)は不均等なストレスが足の裏にかかりやすい為、足底腱膜に負担がかかりやすくなります。
足裏に胼胝(タコ)が出来ている人はアーチが崩れている人が多い為、注意が必要です。
 
ふくらはぎやアキレス腱が硬い人。
ふくらはぎやアキレス腱が硬いと引き上げる力が弱くなる為、足の踏み返しを足底腱膜で負担しやすくなります。

新しく靴に替えた
かかとが固定されない靴、靴底が薄すぎる靴、クッション性がない靴などは、足底腱膜に負担がかかりやすいです。
特に靴のサイズが合ってない場合、歩いている時に靴の中で足が前後に動いてしまい、これも足底腱膜に負担がかかりやすい原因になります。
靴の中で足が動かないことにで足底筋膜に負荷をかけずに歩くことができます。


現代は、昔に比べ、足のアーチを支える力が弱くなった人が増えています。靴の発達や運動不足など様々な原因が考えられます。
足のアーチが、体重や衝撃を支える力が弱くなると、足底筋膜に負担がかかりますので、硬化しやすくなり足底腱膜炎につながりやすいです。


 

足底腱膜炎の症状

荷重時の足底部痛は、
①踵〈かかと〉に近い (腱膜起始部に最も多く発生)
②中央部(土踏まず)
③遠位部の3ヵ所が好発部位です。

一般的には「朝起きての最初の一歩が痛い」「急に歩きだすと痛い」などに、痛みに特徴があります。

それ以外にも
ex)
・歩くと、踵やその周辺が痛い 
・足の裏を押すと痛い 
・足の裏が、つっぱている感じがある
・夕方になると痛みが強くなる
・運動後、痛みが出る。運動翌日が痛い。
・朝痛いが、動いていると徐々に軽減してくる。
・階段・つま先立ちなどすると痛い。

症状は個人差があり、急に強い痛みが出たり、だんだんと痛みが強くなる人もあります。
歩行は日常生活において必ず行う動作です。

一度発症すると、日常生活において歩行を辞めることは出来ないため、患部への負担軽減させることが難しくなかなか治りにくい場合もあります。

症状が進行し、なかなか治らない場合は半年〜1年以上症状が続いている人もおり、治療してもなかなか治らない「難治性足底腱膜炎」と診断されることもあります。

 

足底腱膜炎の
診断・検査方法

 
レントゲン検査
レントゲンでは、足底腱膜の炎症のため、レントゲン検査を行っても通常、骨には異常が見られることはありません。

しかし、繰り返し足底腱膜が付着部を引っ張る事で、踵骨棘という棘が出来る人がいます。
疼痛は無くても踵骨棘がある方はたくさんいます。そのため、踵骨棘自体は痛くなくても、踵骨棘があることは踵骨部に負担がかかっている可能性があると考えられます。



また、変形など他の疾患との鑑別や稀な腫瘍などを区別するためにも必須です。 
 
疼痛誘発検査
足底腱膜の圧痛、腫れや痛みの場所などを確認します。
 
足底圧検査
足裏の圧力のかかり具合を検査します。
荷重位置の検査を行い、踵に負担がかかりやすい立ち方・歩き方などをしているなど判断します。



 
US(超音波検査)
超音波で、足底腱膜付着部周囲などの腫れや肥厚・炎症の有無などを確認します。


検査査よる痛みが無く、被ばく等の身体に与える影響も無いため、小さなお子様や妊婦の方、ご高齢の方まで何度でも安心して検査をすることが出来ます。 

 
MRI検査
より精密に炎症の程度や範囲、腱の損傷程度などを確認するため行います。
踵周辺を含めた全体像の把握や炎症の程度や範囲、腱の異常まで精査することが可能です。
踵骨棘が痛みの原因になっている場合も、MRIで判断が出来ます。


MRIはレントゲン・CTとは違い、放射線などを使用しないため、被ばくの心配はありません。

 

足底腱膜炎の治療方法

 

保存療法

足底腱膜炎の治療は、以下のような薬や理学療法で痛みを抑える治療が基本。安静を心がけ、症状が落ち着くまでは、長時間立っていることやその他の発症のきっかけとなったスポーツは一時お休みすることが望ましいです。
 
リハビリテーション
ストレッチや筋トレ、負担がかかった使い方などを理学療法士と一緒に行うことは、ステロイド注射のような即効性はありませんが、中・長期的に見るとリハビリによる治療が最も効果が高いです。痛みが起きたきっかけが無い方は、足底腱膜への負担が原因の一つなので、負担がかからない様にリハビリを行います。

特に、下肢後面の硬さ(柔軟性低下)や、足指の機能不全、偏平足などの足部の形態異常などを評価し、その人に合ったアプローチを行います。
必要に応じて、テーピングなどを行い患部の負担軽減を目指します。



また、電気療法や超音波治療などの物理療法も組み合わせながら実施します。


足部だけの問題でなく、全身的な問題(姿勢不良、股関節の硬さ(柔軟性低下)、他部位を庇ってい歩行指定る場合)
全身的なコンディショニングを、自費の施設(都立大パーソナルコンディショニングセンター)で行うこともあります。
詳細→  パーソナルコンディショニングセンター

 
薬物療法
炎症がある場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs=ロキソニンなど)や湿布をすることで炎症を抑え症状が改善します。ただし、飲み薬は長期間使用すると胃があれるなどの副作用が出る場合があるので、注意が必要です。


 

装具療法(インソール) 
義肢装具士の、完全オーダーメイド
お子様から大人の方まで、その方に合わせた一人一人足形を取り、足の特徴や癖に合わせて作成します。インソール使用よって、足底部のアーチ形態を機能的、解剖的に補正して足部のアライメントを改善します。
また、疼痛が強い場合は足底部の衝撃を減らすような、工夫も行います。



作成しただけでなく、インソールの状態を定期的にチェックし、問題がないか?確認も行います。
 
注射
 ステロイド注射
歩行出来ない、仕事に支障が出るほどの強い痛みがある場合、上記治療を行っても症状変化に乏しい場合、ステロイド注射を行うことがあります。
痛みのある肘の部分に直接治療薬を注射すると、そのまま1~2ヵ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再燃する場合も少なくありません。

注射で一時的に症状を改善させるだけで、その間に根本原因をリハビリで並行して改善させ、トータル的な症状改善を目指します。
また、注射を繰り返し行うことは、組織を脆くさせ、長期的には症状を悪化させる場合もあります。

 
 神経リリース
足底腱膜炎による症状と併発しているもしくは足底の痛みが神経から生じている場合があります。(神経の滑走障害)

足部~足底を走行する神経に対して、生理食塩水を使用し神経周囲の注入することで、神経とその周囲の組織とを剥離するように実施します。
周囲の組織とを剥離することで、神経の滑走を促します。再び滑走障害が起きないように合わせてリハビリも行います。


いずれも当院で行う注射は、出来る限り少量で、ピンポイントで効果が出る様に、超音波ガイド下で1mm単位で調整し注射を行います。

 

特殊治療について

上記の様な、エビデンスに基づい従来の一般的な治療を受けても症状が改善しない患者さんも、ごく一部ですが存在します。

これまでは一部の人々のためのものであった最新の先端医療である「体外衝撃波治療」や「PRP治療の再生医療」は、メジャーリーグや日本トップレベルのスポーツ界においては今や通常の選択肢の一つとなっています。

これまでは一部の人々のためのものであった最新の先端医療を、私たちは一般の患者さんたちにも広く提供していきたいと考えています。
保険適応外の治療も存在します。
 
体外衝撃波治療
皮膚の上(体外)から非連続性の圧力波である衝撃波を照射する治療方法です。
スポーツ選手を中心に整形外科領域の腱付着部障害や骨性疾患において使用されている機器です。
手術と違い、傷跡が残らない、切らない治療のため副作用がほとんどありません。実施中は衝撃を加えるため、痛みも伴います。許容できる様に強度は調整します。



【効果】
「自由神経終末の変性」
慢性的な疼痛は、痛みを感じる自由神経終末という神経の増加によって痛みに対して敏感になってます。その神経を体外衝撃波によって変性させ、即時的に痛みを軽減させます。

「組織再生因子の増加」
体外衝撃波による刺激は、血管再生を促進させたり、組織再生因子を増加し、損傷した組織の治癒能力を促します。


足底腱膜炎に対しては、
6カ月以上の保存療法を行なっても改善が得られない難治性の足底腱膜炎』に有効な治療法として、体外衝撃波治療は、2012年11月より保険適用になりました。
詳細→ 難治性足底腱膜炎について

 
PRP治療
PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)のことで、自分の血液を採取し、専用の機械を使用して濃縮した血小板のみを抽出します。
血小板には組織修復を促進する能力が含まれており、患部に注入することで治癒を促す治療法です。自身の血を使用するため安全性もあり、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づいて実施します。


整形外科領域、特にスポーツ障害で起きる、腱付着部などは血流が少ないため組織の修復能力に乏しいです。
PRP治療によって損傷した組織は、生体内でバランスを保ったまま修復過程を促進させることが期待されています。

 
手術療法
手術は誰しもが行いたくないものですが、
上記のようにさまざまな治療を行っても痛みが取りきれない場合、患者の希望に応じて手術療法を検討する場合があります。



手術方法は、
関節鏡視下で変性した組織を郭清にしたり、付着部の部分切除や骨棘切除など病態に応じて手術内容を検討します。
手術内容に応じて、術後3〜6ヶ月が目安です。

 

足底腱膜炎の予防

足部内在筋のストレッチ・ケア方法

足部内在筋のストレッチ・ケア方法を紹介します。
 
足底ストレッチ
*左足底の場合
 
    
   ①右手で足底腱膜を押す
      左手で足趾を持つ
     
    ②右手で足底腱膜を押してい    
      るのは保持したまま
      左手で足趾を反らす。
①→②の流れでストレッチを行ってください。
セット回数:20秒×3回

*ストレッチを行うタイミングは朝起きたときや、たくさん歩いた後、お風呂上がりなどオススメです。
*勢いをつけたりしてストレッチしないようにしてください。
 
足底筋コロコロ
   硬まった足底筋をほぐす方法です。
テニスボールやゴルフボールを用意してください。

    
①テニスボールやゴルフボールを足の下においてください



②置いたボールを転がし足底筋をほぐしてください。
セット回数
3分×3回
*普段歩いている時などに痛みがある部位は行わないようにしてください。
踵骨などには行わないようにしてください。
痛みが増悪する可能性があります。

足部内在筋群のエクササイズ方法

足部内在筋のエクササイズ方法を紹介します。
Short Foot Exercise 


①椅子などに座って静止する


②足趾に力を入れる
足の指の腹で摘むように意識する。
足底に力が入っているか意識してみる。


注意点:
右足のように足趾が噛まないようにする。
①→②の流れで行なってください。
セット回数
10秒間キープを10回反復
*一番右の写真のように足趾が噛まないようにしてください。
右の写真のように行ってしまうと本来のエクササイズで鍛えられる部位が異なります。
 
ミニマムカーフレイズ


①静止立位


②重心を少しずつ前へ移動
踵が少し上がるところでキープ
*この時にギリギリまで重心を前へ移動すると足趾で支持している感じがわかりやすい
 


注意点:
Short Foot Exのように足が噛まないようにする。
①→②の流れで行なってください。
セット回数
10秒間キープを10回反復
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