超音波診断装置(エコー)を用いるメリット

2020/04/15
理学療法士
平川 佳祐
エコーと言われると皆さんは妊娠した際にお腹の赤ちゃんを見る際に使うものというイメージが多いのではないのでしょうか?しかし、近年では整形外科の分野でも診断及び治療に多くエコーを用いています。今回はエコーを用いることのメリットをご紹介したいと思います。
まず、エコーとは超音波診断装置という名前にもありますが、超音波を体内に送信し、反射して戻ってきたエコー波を受信することで組織の断層像を表示するものです。
以前から整形外科領域で一般的とされていたレントゲンとは違い、超音波のみで行うため、被爆などの侵襲はありません。レントゲンでは骨組織しか見ることが出来ませんが、エコーでは骨組織のみでなく筋肉・腱・靭帯・末梢神経など様々な組織を見ることで出来ます。よって、レントゲンのみでは診断が困難なものがエコーを用いることで容易に診断が可能になる場合もあります。
 

肩関節(腱板)のエコー

肩が痛くて整形外科を受診し、レントゲンを撮像してもらったら『骨には異常ありませんね』と言われて消炎鎮痛剤を処方してもらったと言う経験をしたことがある方も多くいらっしゃると思います。 しかし、エコーを用いることで骨に異常はなくても実は腱板(肩関節を支えるインナーマッスル)が断裂していたと言う可能性もあります。

レントゲンでは異常なし
正常な肩のエコー画像
腱板断裂のエコー画像

足関節捻挫のエコー 

捻挫(足首を捻ってしまった)の際にレントゲンで骨折などがないかの確認は行いますが、靭帯の状態はレントゲンでは分からずエコーやMRIを撮像することで確認が出来ます。

レントゲンでは異常なし
正常な靭帯のエコー画面
靭帯損傷のエコー画像 


またエコーを用いることで末梢神経を確認することが可能なため、痛みを感じている原因となる神経の周囲に直接注射を行うなど治療にもエコーは用いられています。先ほど記載したように靭帯や腱板などはMRIを撮影することでより詳細に確認することが可能ですが、MRI撮影に要する時間が長いことや、料金が高額になってしまうのに対してエコーは時間も短時間に簡便に確認することが可能であり日常の診療でも多く活用しています。

この記事を書いたスタッフ
理学療法士
平川 佳祐
理学療法士の平川佳祐と申します。リハビリ時に病態や治療方針など丁寧な説明を心掛け、患者様にも理解していただいたうえで科学的根拠に基づいた治療を提供したいと思います。よろしくお願い申し上げます。
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