上腕骨近位骨端線損傷の原因
発育期の骨は、骨の端に「骨端線」という成長をつかさどる軟骨層があります。骨端線損傷とは、その部分に損傷をきたすことを言います。上腕骨近位骨端線損傷は上腕骨骨端線離解とも言われ、「
野球肩」の中のひとつです。
発育期に無理な投球動作などで骨端線に捻りの力が繰り返しかかることで生じます。
上腕骨近位骨端線損傷の症状
・投球動作で痛い
・バレーのスパイク、テニスのスマッシュ時に痛い
・上腕部を押すと痛い
・練習中は大丈夫だが、練習終了後に肩が痛くなる
画像検査・診断について
単純X線検査で上腕骨近位骨端線の状態を評価します。左右比べることが重要です。
また、身体の硬さや筋力など身体機能の確認します。
例)上腕骨近位骨端線損傷のレントゲン画像
初診時
右肩の矢印(骨端線)が左肩と骨端線より開いています。
1か月後
2ヶ月後
2ヶ月で骨端線の状態が初診時の左肩と同じように改善しました。
上腕骨近位骨端線損傷の治療
注意してほしいこと
治療は、患部の安静です。投球は禁止です。投球以外でも肩に負担のかかる運動は行わないようにしてください。
骨端線の状態を定期的にレントゲン検査で評価していきます。運動復帰は骨端線の状態が改善し、医師の許可が出てからです。それまでの間、身体機能改善・強化のためリハビリテーションを行います。
上腕骨骨端線損傷の治療で手術が必要となることはほとんどありませんが、放置しておくと上腕骨の変形をきたすことがあります。