肩腱板断裂
- 2018/10/29
当クリニックは 五十肩(肩関節周囲炎) の専門治療を提供しています。
40〜60代に多い肩の痛みの原因と効果的な治療法をご紹介します。
40〜60代になると急に肩が痛くなり、次のような症状で困っている方が多くいらっしゃいます:
『急に肩が痛み出して、年齢的に五十肩だと思って様子をみていたのに、どんどん肩が上がらなくなってきた』
『最初は気になるくらいの肩の痛みだったのに、今は夜も眠れないくらい痛い』
『洗濯物を干すときや、お皿を片付ける時に、腕に力が入らない』
肩の痛みと言っても様々な原因があり、それぞれ治療法が異なります。まずは肩の痛みの原因がどこにあるのか、正確な診断をつけることが、治療に直結し、痛みから早く解放されるのに役立ちます。
『レントゲンは問題ないですね、五十肩なので痛み止めと湿布で様子を見ましょう』と言われて経過を見ていたが、良くならないというケースも多く見られます。レントゲンだけで診断がつく肩の痛みは実はあまりありません。レントゲン、超音波(エコー)検査、必要であればMRI検査を用いて正しい診断をつけることが大切です。
「 五十肩 」は、50歳代を中心とした中年以降に発症する肩の痛みを伴う疾患です。医学的には 肩関節周囲炎 とも呼ばれ、肩関節周囲の痛みと動きの制限を特徴とします。
五十肩の多くは特に誘因なく発症しますが、時に軽い外傷の繰り返しの後に肩の不快感や痛みとして現れることもあります。好発年齢は40〜60歳代であり、中高年に多い疾患です。
肩関節の構造:大きなボール(上腕骨頭)を小さな受け皿(肩甲骨関節窩)が支えている
肩関節は、最も可動域の広い関節であり、自由に動く代わりに構造的に不安定な関節です。「けん玉」によく例えられるように、上腕骨頭という大きなボールを上腕骨関節窩という小さな受け皿が支えています。
この骨性の安定性が少ない分、 関節包 や 腱板 (インナーマッスル)が肩関節を安定させています。肩の酷使によって関節包や腱板、周囲の筋肉、 滑液包 といった軟部組織に炎症や損傷が起こると、痛みや可動域の制限につながります。
五十肩の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています:
次のような症状がある場合は、五十肩以外の疾患の可能性もあるため、専門医の診察が必要です:
肩の痛みは様々な原因で起こります。五十肩と似た症状でも異なる疾患である場合があり、適切な治療のためには正確な診断が不可欠です。
超音波検査で腱板の状態を確認することで、五十肩と腱板断裂を鑑別します
以下の疾患は五十肩と症状が似ているため、正確な鑑別診断が必要です:
五十肩(肩関節周囲炎)は、発症後の経過によって「炎症期」「拘縮期」「寛解期」の3つの病期に分けられます。それぞれの段階で適切な治療を行うことで、症状の改善と早期回復が期待できます。
この時期は無理に動かすと悪化するため、痛みのコントロールを最優先します。
この時期に肩を動かさないと、拘縮が進み回復が遅れるため、痛みを感じすぎない範囲で動かすことが重要です。
肩関節周囲炎と一言で言っても、肩の炎症の場所によって 上腕二頭腱炎 、 腱板疎部炎 、 滑液包炎 、 癒着性肩関節包炎 と診断が異なります。
早期に正確な診断を受け、炎症部位に適した治療(ステロイド注射、消炎鎮痛薬の内服など)を行うことで、早期回復につながります。
痛みの出ない範囲での軽いストレッチが効果的です
【目的】
1:肩後方の柔軟性改善
2:姿勢改善
【方法】
1:肩関節の真下に手、股関節の真下に膝がくるように四つ這いになる
2:片方の手をもう片方の手の前におき、手が床から離れないようにお尻を後ろに引くようにする
3:肩の後ろ、脇、背中が伸びているのを感じる
4:伸びきった位置で2-3秒キープし、元の位置に戻る
5:上記を繰り返す
【ポイント】
1:身体が捻じれないように後ろに引くようにする
2:手が浮かないように、軽く下に押し付けるように行う
以下の症状に当てはまるものがあれば、五十肩の可能性があります。複数当てはまる場合は、専門医への受診をおすすめします。
五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節周囲の軟部組織の炎症や拘縮が原因で起こる疾患です。一方、腱板断裂は肩関節を安定させる腱板という組織が断裂することで起こります。
治療法や回復期間が異なるため、正確な診断が重要です。腱板断裂は特に腕を上げる動作が困難になることが多く、重症例では手術が必要になることもあります。
五十肩の治療期間は個人差がありますが、一般的には6ヶ月から2年程度かかることが多いです。適切な治療を早期に開始することで、回復を早めることができます。
症状の進行状況や治療への反応によって異なりますので、医師の指示に従うことが大切です。放置すると症状が長引く可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
適切な量と頻度で行われるステロイド注射は、五十肩の急性期の痛みを軽減するのに効果的な治療法です。当クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、安全に配慮しながら治療を行っています。
ただし、頻回の注射は避けるべきであり、通常は数回の注射と他の治療法を組み合わせて行います。不安がある場合は、医師に詳しく相談してください。
明確な予防法はありませんが、日常的に以下のことを心がけると発症リスクを下げる可能性があります:
病期によって適切なストレッチや運動が異なります。当クリニックでは、患者さんの状態に合わせた自宅でのリハビリプログラムをご提案しています。
一般的には、壁を使ったストレッチや振り子運動などが効果的ですが、個々の症状に合わせた指導が重要です。定期的な診察で進捗を確認しながら、適切なプログラムを調整していきます。
五十肩は自然経過でも1〜2年かけて徐々に改善することが多いですが、適切な治療を受けることで回復期間を短縮し、症状を軽減できる可能性があります。
また、放置すると肩の可動域制限が固定化してしまい、完全な回復が難しくなるケースもあります。早期の適切な治療と定期的なケアが大切です。
肩の痛みで困ったら肩専門医を受診して下さい。
(肩外来は木曜日)
東急東横線
「都立大学駅」より徒歩2分