肩関節の特徴
肩関節は人体の中で最も可動域の大きい関節の一つです。けん玉によく例えられますが、
小さい受け皿(肩甲骨)の上に大きな球(上腕骨頭)が乗っているような関節です。
骨性の安定性は非常に弱く、軟部組織(靭帯や腱板、筋肉)が関節を安定させる役割を持ちます。
柔らかい組織が関節を安定させている特徴を持つので、肩は360°広く動かせる一方で、不安定である関節でもあるのです。
肩関節脱臼とは
肩甲骨と上腕骨が正常な位置からずれてしまう状態を指します。きっかけは転倒やコンタクトスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、柔道)などでの強い衝撃や過度な動作などによる外傷が多く、上腕骨が前方に押し出される力が強く働くことで、肩関節を安定させている軟部組織が破綻してしまい、受け皿である肩甲骨を乗り越えて前方に偏位してしまう状態です。一度脱臼すると再発しやすくなる傾向があり、場合によっては手術が必要なこともあります。ほとんどの場合、肩は前方脱臼(肩甲骨に対して、上腕骨頭が前方に抜ける)が多いですが、まれに後方に脱臼することもあります。脱臼を繰り返していると、反復性肩関節脱臼という日常生活中でも脱臼をしやすい状態になります。
脱臼と亜脱臼の違い
肩関節脱臼には「脱臼」と「亜脱臼」という2つの状態があります。
脱臼
肩の関節が完全に外れたままの状態を指します。この場合、上腕骨(腕の骨)が肩甲骨のくぼみから完全に外れ、激しい痛みが生じ、外見上も関節の変形が明らかです。また、脱臼によって周辺の神経や血管が損傷することがあり、手や指にしびれや冷たさを感じたり、力が入らなくなる場合もあります。これらの症状が現れた場合、迅速に医療機関で診察を受けることが重要です。
亜脱臼
肩の関節が一瞬外れるも、すぐに元の正常な状態に戻ってることを指します。この場合、通常の位置から完全に一度外れているため痛みや違和感があっても、関節は元の位置に戻っています。そのため、明確な関節の変形は見られません。典型的な症状として、「肩が一瞬抜けた感じがした」「一時的に外れたがすぐ戻った」といった感覚になる方が多いです。多くの場合、2〜3週間安静にしていることで症状が軽減することが多いです。しかし、一度亜脱臼を起こすと、関節は正常な位置に戻っていても肩関節周囲の組織(肩関節唇)にはキズや一部破綻してることが多く、再発(いわゆるクセ)しやすくなります。これが進行すると、日常の一般的な動作でも亜脱臼を繰り返す可能性があります。そのため、亜脱臼が疑われる場合も、肩関節周囲の組織の損傷がないか医療機関で診断を受けることが重要です。
大谷翔平選手も球団によると、亜脱臼による「左肩関節唇断裂」だった。と報じられており、亜脱臼に伴い肩関節周囲の組織「肩関節唇」が傷ついたことにより、再脱臼のリスクを考慮し手術をされたと思われます。
主な原因
・スポーツ中の衝突や転倒(例:ラグビーやバスケットボールなどでのプレー中)
・転落や交通事故(車両同士の衝突や自転車からの転倒など)
・家庭内での事故(例:滑って転んだ際に腕を支えに使った場合)
・重い荷物を無理に持ち上げようとしたとき(特に不適切な姿勢で持ち上げる場合)
・子どもを高く持ち上げた際に腕が引っ張られる(親子での遊び中に発生することも)
・ジムでのトレーニング中にウェイトを無理に上げたとき
・高齢者の関節や筋肉の弱化による日常動作中の脱臼(例:寝返りを打つ際に肩を強くひねった場合)
・過去に肩の脱臼を経験している場合の再発(以前の脱臼が治りきらないまま活動を再開したケース)
・過度の肩の使用や無理な動き(例えば、急に後ろに手を伸ばしたりする動作)
症状
脱臼や亜脱臼直後の症状
激しい肩の痛み:肩を動かすのが困難になるほどの強い痛みが生じます。
関節の変形:肩が通常とは異なる不自然な位置に見え、外見から異常がわかります。
肩や腕を動かせない:脱臼により肩の動きが大幅に制限されます。
腕や手のしびれ・感覚の喪失:神経が圧迫されることで手や腕にしびれを感じたり、感覚が鈍くなることがあります。
肩のしびれや血行不良:血管が影響を受けて肩がしびれたり血行が悪くなる場合があります。
腫れや皮膚の変色:脱臼による炎症や内出血で肩が腫れたり皮膚が変色することがあります。
肩の不安定感:軽い動きでも肩が外れるような感覚があり、不安定に感じることがあります。
脱臼や亜脱臼後の症状(1か月以降)
日常生活への影響は軽微:症状が軽い場合、日常生活に大きな支障はないこともあります。
軽い動きでの不安定感:肩が簡単に外れるような感覚が続くことがあります。
後方への動作の恐怖:手を後ろに持っていく動作が不安でできなくなる場合があります。
動作への恐怖感:以前は普通にできた動作が怖くなり、避けてしまうことがあります。
肩周辺の筋肉の硬直:防御反応として肩周囲の筋肉が硬くなり、張りを感じることがあります。
違和感や引っかかり感:腕を持ち上げようとすると肩に違和感や引っかかりを感じることがあります。
脱臼を繰り返すとどうなるか
脱臼を繰り返すと、前方を支える軟部組織(関節唇、関節包)がさらに破綻していき、最終的に受け皿の骨(肩甲骨)が欠けて小さくなったり、上腕骨の後方に大きな骨欠損が生じたりして、スポーツ、日常生活でも大きな影響が出てQOLが低下してしまいます。若年者やコンタクトスポーツ、骨欠損がある場合は再発リスクが非常に高いので適切な治療が大事になってきます。
診断方法
問診と触診
患者の症状や外傷の状況を確認します(いつ、どのようにして脱臼したのか)。
機能テスト
肩の可動域や筋力、肩の不安定性を評価するテスト(apprihension test, sucus test, load and shift test)を行います。
画像検査
X線(レントゲン)やMRI(磁気共鳴画像)を用いて、骨の位置や周囲の軟部組織の損傷を確認します。
治療方法
肩関節脱臼の治療は、初期治療を行った後にリハビリテーションによる保存治療もしくは手術を行います。
以下のように段階的に行われます。
整復
まだ脱臼をしてる場合、医師が脱臼した肩を元の位置に戻す処置を行います(整復)。力を出来るだけ抜いた状態で腕を牽引する方法(ゼロポジション法)、うつ伏せで寝た状態で患側の手に錘を垂らして安静にしておく方法(Stimson法)などがあります。整復操作によって骨折が生じたりすることもあるので、正しい方法で行うことが重要です。痛みが強く、周囲の筋肉の緊張が強い場合、全身麻酔が必要なこともあります。
固定
整復後・亜脱臼直後は、肩の周辺の組織にキズや一部損傷があるため、組織が自己修復しやすくするために三角巾や専用の装具で固定し肩の安静と固定をします。通常、固定期間は1〜3週間程度です。固定中は無理に肩を動かさないように注意が必要です。
リハビリテーション
主なリハビリメニューとしては、関節の可動域を回復させ、肩の安定性を高めるために肩のインナーマスル(腱板筋群)を鍛えたり、肩甲骨周囲の筋肉を鍛えていきます。
・日常生活での肩の使い方を学ぶ指導も重要です(姿勢改善や動作の注意点)
・軽いストレッチやエクササイズから始めることが多く(例:前後の振り子運動)
・腱板筋群トレーニング
肩関節を安定させるインナーマッスルを腱板筋群と言います。棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋という4つの筋肉で構成されており、それぞれの筋肉を負荷の軽いチューブを使ってトレーニングしていきます。
・肩甲骨周囲筋トレーニング
肩関節は肩甲骨と上腕骨が連動して動くため、土台である肩甲骨の動きや安定性も非常に重要になってきます。肩甲骨周囲には僧帽筋や前鋸筋、菱形筋などの複数の筋肉がついており、それらの筋肉をしっかりと鍛えていくことが肩関節の安定性に必要です。
手術療法
肩関節脱臼を起こした場合、肩を安定させている軟部組織(関節唇や関節包)が破綻している可能性が高く、若年者やスポーツ選手、骨欠損が大きい場合は脱臼を繰り返す反復性肩関節脱臼に至るリスクが高いです。また反復性肩関節脱臼になってしまった場合は保存療法での治療が難しくなります。そのため患者さんの年齢や社会的背景、スポーツ種目、骨や軟部組織の状態を考えて手術を行うことが重要です。
当院では関節鏡視下手術(1cm程度の小さな切開を行い、カメラを挿入し(内視鏡)そのカメラで肩の内部をのぞきながら、㎜単位で関節の損傷部分を修復)を行っています。
また患者さんそれぞれの状態(元々の関節の緩さがどうか、スポーツは何をやっているか、利き手は非利き手か、今後の目標は何か)を詳しく聴取して、その人にとってベストな手術方法を選択します。
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・直視下(open)手術:大きな損傷がある場合や再建が必要な場合に行われることがあります。
・関節鏡視下手術:1-2cm程度の小さな切開を行い、カメラを挿入し(内視鏡)そのカメラで肩の内部をのぞきながら、㎜単位で関節の損傷部分を修復します。(体への負担が少ない・執刀医の技術が必要)
関節窩骨欠損がない場合
関節鏡下バンカート修復術(通常法)
脱臼によって損傷した前方関節唇を、アンカーを受け皿の骨(肩甲骨)に挿入し、関節唇にかけて縫合することで修復する方法。
関節唇、関節包を点で固定するので可動域制限が出にくく、オーバーヘッド競技の利き手側などに行います。
メリット:手技が簡便、可動域が得られやすい
デメリット:再脱臼のリスク
鏡視下バンカート修復術(DAFF法)
脱臼によって損傷した前方関節唇を、アンカーを受け皿の骨(肩甲骨)に挿入し、剥離した関節唇に糸をかけて、関節窩にもう一つアンカーを打ち込むことで ’面’ で修復固定する方法。関節唇、関節包を面で強固な固定が出来るため再脱臼率が低いメリットがあり、コンタクトスポーツや関節弛緩性が高い人に行います。
メリット:低い再脱臼率
デメリット:手技が煩雑、可動域制限
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関節窩骨欠損がある場合
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AAGR(Arhroscopic Anatomical Glenoid Reconstruction:腸骨移植+鏡視下バンカート修復術)
骨盤(腸骨)から骨を採取して、欠損した肩甲骨の関節窩にボタンを用いて移植します。その後、鏡視下バンカート修復術を行います。
骨欠損があり、早期復帰が望まれる場合に選択します。
メリット:早期復帰、低い再脱臼率
デメリット:自家骨(自分の骨盤の骨)採取部の疼痛
人工骨移植+鏡視下バンカート修復術
人工骨を欠損している肩甲骨の関節窩にスーチャーアンカーを用いて固定します。その後、鏡視下バンカート修復術を施行します。人工骨を用いることで、骨採取部の疼痛がないメリットがあり、骨欠損がある場合に選択します。
メリット:低い再脱臼率、自分の骨を犠牲にしない
デメリット:通常の復帰時期
鏡視下バンカート修復術+Bristow法
肩甲骨の一部である烏口突起を切離して、関節窩にスクリューを用いて固定します。その後、鏡視下バンカート修復術を行います。
メリット:低い再脱臼率、早期復帰
デメリット:侵襲が少し大きい、神経障害のリスクがある
当院では患者様一人ひとりにあった治療法を提案させていただきます。
また手術後には、しっかりとしたリハビリを行うことが回復の鍵となります。
注意点
初めての脱臼の場合は特に、無理に関節を元に戻さず、医療機関を受診してください。
再発を防ぐために、リハビリを継続し、肩関節を強化することが大切ですが、必要に応じて早期に手術をすることが結果的に良いこともあります。
痛みや違和感が残る場合は、早めに医師に相談しましょう。
再発予防のポイント
正しい姿勢を意識する(肩の関節に負担をかけない姿勢を保つ)
肩周囲の筋肉を強化するエクササイズを定期的に行う(例:腕立て伏せやゴムバンドを使った運動)
負荷の大きい運動をする際には適切なサポーターを使用する(肩の保護)
定期的に肩の健康チェックを行う(医師や理学療法士の診察を受ける)
問題点
「肩が一瞬抜けた感じがした」「一時的に外れたがすぐ戻った」といった感覚は、亜脱臼を繰り返していることが多いです。
亜脱臼の場合は、日常生活にそこまで支障がないことが、返って肩関節周囲の組織をどんどん悪化させてる場合も多く
手術が必要なこともあります。まずは、医療機関でしっかり診てもらうことが大切です。
Q&A
A:子供の肩関節脱臼の場合、成長中の骨や組織に注意が必要です。無理に整復を試みず、医療機関(整形外科)を受診してください。
A:はい、肩が脱臼や亜脱臼した場合はできるだけ早く医療機関を受診してください。場合によっては、骨折をしてることもありますし、神経や血管を傷つけてる場合もあるため、適切な処置と治療が必要です。
A:肩が脱臼しているかどうかを見分ける方法は、痛み、肩の変形、肩の可動域制限、しびれなどが主な症状ですが、亜脱臼の場合は肩の変形などは認めません。不安感がある場合は医療機関(整形外科)で診察を受けましょう。
A:子供の肩関節脱臼や亜脱臼後の場合、成長中の骨や組織に注意が必要です。無理に整復を試みず、直ちに医療機関を受診してください。場合よっては、手術を行い再脱臼しないような肩にすることも必要です
A:肩関節脱臼を自分や一般の方が脱臼を直そうとした場合、一部骨折してる場合に骨折が悪化させたり、操作中に神経や血管を損傷する危険がありますので、必ず医師の診察を受けてください。
A:肩関節脱臼は適切な処置をしなければ、再脱臼や放置すると関節や周囲の組織に悪影響を及ぼす可能性があります。必ず医療機関(整形外科)で診断と治療を受けてください。
A:肩関節脱臼後に再度脱臼しやすい動きは、外旋(手を外に開くような動作)、外転外旋(グリコのような手をバンザイして、後ろに手を持っていくような動作)、水平伸展(後ろに腕をもっていくような動作。車の後部座席に手を伸ばすような動き)は、外れやすい動作なので注意が必要です。このような動作をして、少しでも不安感、外れそうと思った場合は、それ以上の動きをすると再脱臼するリスクが高いです。
A:肩が外れた時は、無理に肩を動かしたりして、自分で肩を元に戻そうとせず、三角巾などで固定し幹部を氷で冷やして、これ以上腫れないようにしながら、医療機関(整形外科)に受診しましょう。必要に応じて局所麻酔などで痛みを感じにくくしながら、肩をもとの関節の位置関係に、医師に整復操作してもらうことをお勧めします。
A:肩関節脱臼の程度によりますが、軽度の場合は2〜3週間で痛みが和らぎ、日常生活に戻れることが多いです。ただし、組織が痛んでる場合、再脱臼するリスクや完全な回復には数ヶ月かかることもあります。
A:肩関節脱臼の安静期間は通常、整復後1〜3週間は三角巾や装具で肩を固定し、安静を保つ必要があります。その後、リハビリを開始します。
A:肩関節脱臼や亜脱臼後のリハビリは損傷程度もあり個人差がありますが、軽度の脱臼の場合は数週間、重度の場合は数ヶ月かかることがあります。場合によっては手術が必要になります。医師や理学療法士の指導に従いましょう。
A:肩関節脱臼や亜脱臼後、肩のリハビリを怠ると、肩の可動域が制限されたり、筋力低下が進み、肩の不安定感が残り、再脱臼のリスクが高まる可能性があります。リハビリは回復に不可欠です。
A:肩関節脱臼も亜脱臼も治療期間に大きな差はありません。初めての場合は、いずれも固定が必要と考えますが、複数回繰り返してる場合は、比較的早期に症状が改善する場合があります。ただし、軟骨や関節唇や靭帯などが痛んでる場合があるので、医療機関で組織損傷がどれくらいなのかは評価が必要と考えます。
A:肩関節亜脱臼は、ケガをした状況を確認し、肩関節の不安定性を徒手検査で判断したうえ、XpやMRI,CT検査で組織損傷の程度など総合的に判断して診断します。
A:一回の亜脱臼だから放置してよいとはかぎりません。一回の亜脱臼でも、医療機関(整形外科)に受診してXpやMRI,CT検査で組織が痛んでないか確認することをお勧めします。
A:肩関節脱臼の後遺症として、肩の不安定感、可動域の制限、再脱臼のリスク増加などが挙げられます。必要に応じて手術や適切なリハビリを行うことで、これらのリスクを減らすことが可能です。
A:はい、不安定感や違和感がある場合は早めに医師に相談してください。放置すると再脱臼や関節の損傷が進む可能性があります。
A:肩関節脱臼の再発頻度は、一度脱臼すると再発する可能性が高くなります。特に若年層やスポーツをする人では再発率が非常に高いと報告されてます。リハビリや筋力強化で一定のリスクを減らすことは可能ですが、結果的に再脱臼して、手術を行う場合も多くあります。
A:肩関節脱臼を放置すると肩の関節が不安定のままになり、再脱臼や慢性的な痛み、さらには関節の変形や神経損傷のリスクが高まります。必ず医療機関で適切な治療を受けてください。
A:肩関節脱臼後の関節音で、痛みを伴う場合や不安定感がある場合は医師に相談してください。
A:肩関節脱臼とは、初めて肩関節が脱臼をしたことで、反復性肩関節脱臼とは一度肩関節を脱臼した後、繰り返し脱臼を起こす状態です。反復性肩関節脱臼ではリハビリだけでは改善しにくいため、手術が検討されることが多いです。
A:肩関節亜脱臼=癖ではありませんが、亜脱臼時に周囲の組織が損傷した場合、脱臼・亜脱臼しやすい通り道が出来るので、そうなった場合は頻発に亜脱臼を起こす(いわゆる癖)可能性があります。
A:肩関節脱臼を早く治す方法は、早期に医療機関に受診し医師の指示に従って、固定や必要に応じて手術や適切なリハビリを行うことが早期回復につながります。また、過度な動きや負荷を避けることが重要です。
A:肩関節脱臼をした後は、肩を無理に動かしたり、脱臼した方向に力を加える動きは極力避けてください。特に手を頭上や後方に動かすのは再脱臼のリスクがあり危険です。
A:肩関節脱臼の再発を防ぐためには、日常的なエクササイズや肩の保護、無理な動作を避けることが重要です。また、サポーターの使用や専門家のアドバイスを受けるのも効果的です。
A:肩関節脱臼の手術後、通常は手術後3〜6ヶ月程度で運動再開が可能です。これは肩の状態や手術の術式によって異なりますので、必ず医師の指導を受けてください。
A:肩関節脱臼や亜脱臼の手術リスクとして、感染症や神経損傷、術後の痛みや可動域の制限などが一般的なリスクとして挙げられます。ただし、適切な術前・術後ケアでこれらのリスクは最小限に抑えられます。
再脱臼が最も気をつけるリスクですが、当院では患者のスポーツや社会的背景、組織損傷の程度などを考慮し患者自身のあった術式で手術を行い、再脱臼のリスクを最小限に抑えます。
A:肩関節脱臼や亜脱臼手術の費用は、当法人では3泊4日で20-26万円(概算)になります。 以下をご参照下さい。 高額療養費制度を利用すれば、平均的な年収の方だと1ヵ月の自己負担分が10万円前後です。
手術費用
A:肩関節脱臼や亜脱臼の手術後、運動を再開するタイミングは、手術の術式やリハビリの進捗状況によって異なります。一般的には、肩関節が安定し、筋力が回復してきた段階で、医師の許可を得て軽い軽作業を再開できますが通常は手術から3ヶ月程度経過した後です。徐々に運動強度を高めていき、スポーツなどフル復帰は6ヵ月を目安に行うことが多いですが、無理がなく、医師と相談しながらスポーツ復帰していくことが重要です。
A:肩関節脱臼や亜脱臼の手術後のリハビリ期間は一般的に3ヶ月から6ヶ月程度が必要です。初期は可動域を広げる運動や筋力回復のトレーニングを行い、日常生活に必要な動作を獲得していき、スポーツを実施する方は、スポーツで必要な動作取り入れたリハビリを進捗に合わせて段階的に負荷を増やしていくことが重要です。
A:肩関節脱臼や亜脱臼の手術後も再発(再脱臼)のリスクはゼロではありません。 特に、肩の可動域を超える無理な動きや、十分にリハビリが行われなかった場合、再発する可能性があります。再発リスクを減らすためにも術後のリハビリは重要です。当院では、患者のスポーツや社会的背景、組織損傷の程度などを考慮し患者自身のあったオーダーメイドの術式で手術を行い、再脱臼のリスクを最小限に抑えるのための工夫をしています。
A:肩関節脱臼の手術後の痛みは、個人差がありますが、通常は最初の数日から長くても数週間で軽減します。痛みがある場合や強くなる場合は、医師に相談することが重要です。当グループでは、術後に神経ブロック注射などを併用し出来る限り、術後の疼痛を軽減するような工夫を行っています。
A:肩関節脱臼の手術後のタイミングは、手術の術式やリハビリの進捗状況により異なりますが、術後1ヵ月程度は、装具固定をしてるためPC作業などは工夫次第で可能ですが、日常生活に支障があります。ここで無理をすると、肩の動きに制限が起きたり、再脱臼のリスクが高まる可能性あるので、無理せず、肩の状態を医師や理学療法士と確認しながら、出来ること増やしていくことが大切です。通常、日常生活に支障がなくなるのは、2-3ヶ月程度は要する見込みです。
A:肩関節脱臼手術の入院期間は、当グループでは3泊4日の入院期間です。前日の13時から入院し、翌日の手術に備えます。手術の翌日は、術後の疼痛管理や術後の生活などの確認やリハビリを行い、翌々日に11時ごろ退院の予定です。出来るだけ早く退院することで、学校や仕事などの日常生活への影響を減らすようにしています。そのため、手術前から装具の練習など日常生活への影響を少なくするために、リハビリを行います。
A:肩関節脱臼の手術時間は、患者さんの症状や手術の術式によって異なりますが、一般的には1~2時間程度です。消毒や麻酔、レントゲンなどの準備で前後30分程度かかるため、手術室にいる時間は、2-3時間程度のことが多いです。
A:肩関節脱臼の手術は全治6か月です。当グループでは、3泊4日の入院期間です。その後、術後1ヵ月程度は装具固定をしてるため、日常生活に支障があります。通常、日常生活に支障がなくなるのは、2-3ヶ月程度です。スポーツ復帰には、手術方法により異なりますが、5-6ヵ月が復帰の目安です。
A: 手術は、脱臼や亜脱臼を繰り返している回数よりは、関節窩(受け皿)や骨頭(ボール)などの損傷程度や患者様の社会的背景を考慮して、上記術式から選択します。1回しか脱臼をしてなくても、ラグビーなどの激しいスポーツをされ再発リスクが高い患者様は、より強固で再脱臼しない術式を選択します。一方、繰り返し脱臼をしていても、組織損傷が少なく日常生活程度の動きのみで再発リスクが比較的低い場合は、比較的侵襲が少ない術式を選択することもあります。
まとめ
肩関節脱臼は、適切な治療と予防対策を行うことで、再発を防ぎながら日常生活への復帰が可能です。もし肩の脱臼が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診し、専門的な診断と治療を受けることをおすすめします。